セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル SR09:

当院における閉塞性大腸癌に対する治療の現状

演者 井山 拓治(鳥取県立厚生病院 消化器内科)
共同演者 林 暁洋(鳥取県立厚生病院 消化器内科), 永原 天和(鳥取県立厚生病院 消化器内科), 万代 真理(鳥取県立厚生病院 消化器内科), 野口 直哉(鳥取県立厚生病院 消化器内科), 佐藤 徹(鳥取県立厚生病院 内科), 秋藤 洋一(鳥取県立厚生病院 内科)
抄録 【はじめに】以前より大腸狭窄に対し肛門側からのイレウスチューブ留置術が行われていたが、2012年より大腸狭窄に対する金属ステント留置が保険適応となり、全国的に大腸狭窄に対するステント留置術が行われるようになってきている。当院でも2011年頃より大腸狭窄に対するステント留置術が徐々に行われるようになってきた。【対象・方法】今回、我々は当院において過去6年間に閉塞性大腸癌に対し、ステント留置術もしくはイレウスチューブ留置術を施行した計28症例(ステント留置術14症例vsイレウスチューブ留置術14症例)を対象に年齢、性別、狭窄部位、手技的成功率、手術までの期間、合併症、術後転機等の比較検討を行った。【結果】症例の背景は男性15例、女性13例、平均年齢74.4歳(56-92歳)であった。狭窄部位はS状結腸13例、直腸6例、下行結腸4例、横行結腸3例、上行結腸1例、空腸1例で、手技的成功率は金属ステントで92.6%、イレウスチューブで64%であった。手術までの期間は金属ステントで15.8日、イレウスチューブで6.5日、ステント留置に伴う穿孔等の合併症は認めなかった。【考察】大腸ステントは留置手技が比較的容易で、手技的成功率も高かった。留置後も比較的早期に退院が可能であり、チューブの管理も必要ないため、患者のQOL改善も期待でき、術前のBTS(bridge to surgery)としても有用であると考えられる。また症状緩和目的に留置する場合でも症状改善が期待でき、有用な緩和医療となると考えられる。
索引用語 金属ステント, 大腸悪性狭窄