セッション情報 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄)

タイトル JR02:

除菌後発見胃癌のESD後経過観察中に異時性胃癌を認めた1例

演者 渡辺 裕文(広島大学病院 内視鏡診療科)
共同演者 松尾 泰治(広島大学病院 内視鏡診療科), 伊藤 公訓(広島大学 消化器・代謝内科), 北村 陽子(広島大学 消化器・代謝内科), 保田 智之(広島大学 消化器・代謝内科), 佐野村 洋次(広島大学病院 内視鏡診療科), 卜部 祐司(広島大学 消化器・代謝内科), 品川 慶(広島大学病院 内視鏡診療科), 岡 志郎(広島大学病院 内視鏡診療科), 吉田 成人(広島大学病院 内視鏡診療科), 日山 亨(広島大学保健管理センター), 上野 義隆(広島大学病院 内視鏡診療科), 北台 靖彦(広島大学 消化器・代謝内科), 田中 信治(広島大学病院 内視鏡診療科), 吉原 正治(広島大学保健管理センター), 茶山 一彰(広島大学 消化器・代謝内科)
抄録 症例は74歳代男性.家族歴に特記事項なし.既往歴に1999年腹部大動脈瘤手術,左腎摘出術あり.機会飲酒,喫煙歴なし.2008年4月,近医でH. pylori 除菌療法を受け,UBT(-)で除菌成功を確認した.2009年6月心窩部痛を主訴に検診目的に受けた上部消化管内視鏡検査(EGD)で胃体下部前壁に陥凹型病変を認め,精査加療目的に当科紹介入院となった.当科での精査EGDでは,体下部前壁に径10mm大の発赤調 0-IIc病変で生検はGroup 5(tub1)であり,超音波内視鏡検査(EUS)でcMであった.同年9月にESDを施行した.病理組織学的所見はpap, pT1a(M), ly(-), v(-), ul(-), pHM0, pVM0 で治癒切除であった.その後,経過観察されていたが2013年6月のfollow up EGDで体上部後壁に発赤調の径5mm大の0-IIc病変,前庭部後壁に径15mm大の正色調の扁平隆起性病変を認めた.生検はそれぞれGroup 5(pap)とGroup 3 であった.EUSでcMであり,同年8月にESDを施行した.病理組織学的所見は体上部後壁病変はpap, pT1a(M), ly(-), v(-), UL(-), pHM0, pVM0, 前庭部後壁病変はTubular adenomaであった.
 本症例は除菌成功後14ヶ月、62ヶ月に早期胃癌を異時性異所性に再発した症例であり,当院での異時性再発例の検討もふまえ,文献的考察を加えて報告する.
索引用語 除菌後胃癌, 異時性