セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル SR10:

頻回の腹痛発作を契機に発見された上行結腸脂肪腫の一例

演者 亀山 和也(JA広島厚生連吉田総合病院 内科)
共同演者 河野 友彦(JA広島厚生連吉田総合病院 内科), 日高 聡(JA広島厚生連吉田総合病院 内科), 児玉 真也(JA広島厚生連吉田総合病院 外科), 森脇 香莉(JA広島厚生連吉田総合病院 内科), 黒住 悟之(JA広島厚生連吉田総合病院 内科), 小林 愛沙(JA広島厚生連吉田総合病院 内科), 川本 雅英(JA広島厚生連吉田総合病院 内科), 住元 一夫(JA広島厚生連吉田総合病院 外科)
抄録 【症例】70歳代女性。主訴は腹痛、腹部膨満感。既往に高血圧症、脂質異常症。2011年より便秘症あり、センノサイド、マグネシウム製剤の定期内服を行っていた。2013年5月中旬頃より、腹痛、腹部膨満感増強し、食欲不振出現。処方されていた緩下剤を大量内服したが改善乏しく、外来受診。腹部レントゲン施行されるもniveau形成などは認めず、浣腸、漢方薬など処方され経過観察されていた。以後も、腹痛、腹部膨満感が間欠的に出現するため夜間頻回に救急外来受診。都度、補液、メトクロプラミド静注施行され若干改善傾向となっていた。初診から1週間後再度外来受診。血液検査、腹部CTでは特記事項指摘出来ず、下部消化管内視鏡施行したところ、肝弯曲に有茎性の巨大な粘膜下腫瘍を認めた。腫瘍の粘膜面は正常で黄色調であり、茎部にはねじれを認めた。可動性は良好で、cushion sign陽性であった。注腸造影検査では上行結腸肝弯曲よりに40mm大の非上皮性の隆起性病変を認めた。以上の所見から腸管脂肪腫が疑われ、腫瘍径が大きいことから内視鏡的切除は困難と判断し、外科的ポリペクトミー施行。切除した腫瘍の病理結果は脂肪腫であった。術後、腹部症状は改善した。今回我々は頻回の腹痛、腹部膨満感を契機に発見された上行結腸脂肪腫の一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 腸管脂肪腫, 繰り返す腹痛