セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 66:山陰地方で経験したポルフィリン症例と一考察 |
演者 | 堀江 裕(済生会江津総合病院) |
共同演者 | 細田 康平(済生会江津総合病院), 松岡 宏至(済生会江津総合病院), 藤井 康善(済生会江津総合病院), 前田 直人(山陰労災病院), 岸本 幸廣(山陰労災病院), 村脇 義和(鳥取大学医学部機能病態内科学), 冨江 康史(豊岡市 冨江医院), 佐々木 祐一郎(済生会境港総合病院 内科) |
抄録 | 山陰地方で経験したポルフィリン症例と一考察済生会江津総合病院 消化器科 堀江 裕、細田 康平、松岡 宏至、藤井康善 山陰労災病院 前田直人、岸本幸廣 鳥取大学医学部機能病態内科学 村脇義和 豊岡市 冨江医院 冨江 康史 済生会境港総合病院 内科 佐々木祐一郎 ポルフィリン症(ポ症)は、ヘム合成系の異常による先天性代謝異常症であり、診断と治療に難渋することが多く、鑑別診断と早期治療が重要である。本邦における発症頻度は不明である。我々は、昭和50年代から山陰地方でポ症の診断と治療を行ってきたが、人口60万前後の二つの鳥取島根両県でのポ症を振り返ることにより、欧米ポ症と比較した対象)著者が 診断した症例について、病型分類してまとめた。結果)38年間に山陰地方で診断したポ症は、肝性ポ症はAIP 5家系、VP 1家系、EPP 4家系、PCT 5例(すべて散発例)であった。AIP の 出雲市3家系、安来市1家系 津和野町1家系、VPは鳥取市1家系、EPP は 境港1家系、雲南市1家系、大田市1家系、松江市1家系であった。遺伝子解析したAIPの2家系は欠損酵素が同一であり、共通の祖先も持つ可能性が示唆された。この変異は長崎県と同一であり、欧米でもよくみられる浸透性の高い変異であった。考察)ポ症は発生頻度は10万人に一家系と欧米ではいわれているが、山陰両県で110万人に10家系が存在した。潜在症例の発掘がのぞまれる。山陰地方のAIPの遺伝子変異は、欧米にみられるものと同一であり、欧米と山陰と長崎の交流を示唆するものかもしれない。 |
索引用語 | ポルフィリン症, 疫学 |