セッション情報 一般演題

タイトル 29:

当院における小腸悪性リンパ腫の臨床的特徴

演者 斧山 美恵子(広島大学大学院 消化器・代謝内科学)
共同演者 北台 靖彦(広島大学大学院 消化器・代謝内科学), 田中 雄一朗(広島大学大学院 消化器・代謝内科学), 弓削 亮(広島大学大学院 消化器・代謝内科学), 品川 慶(広島大学病院 内視鏡診療科), 田中 信治(広島大学病院 内視鏡診療科), 安井 弥(広島大学大学院 分子病理学), 茶山 一彰(広島大学大学院 消化器・代謝内科学)
抄録 【目的】当院で経験した小腸悪性リンパ腫を病型別に分類し、臨床病理学的特徴と予後について検討した。【対象】2001年1月から2013年3月の間に、広島大学病院で経験した66例の小腸悪性リンパ腫 (男性37人、女性29人、平均年齢60.1歳)を対象とした。【結果】組織型は、Follicular lymphoma (FL) 32例、Diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL) 14例、Mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma (MALTリンパ腫) 8例、T cellおよびNK/T cell lymphoma 6例、Mantle cell lymphoma 3例、その他3例であり、近年、FLの占める割合が増加傾向にあった。治療法に関しては、FLは4例で経過観察 (watchful waiting)、他の28例は化学療法が選択された。全例生存しており、化学療法を施行した27例はCRとなっていた。DLBCLは胃温存療法 (化学療法、化学放射線療法) 7例、手術後化学療法7例で、3例において出血やDIC、再発で死亡例がみられた。MALTリンパ腫は除菌療法1例、化学療法4例、放射線療法1例、手術1例、手術後化学療法1例で、全例CRであった。T cellおよびNK/T cell lymphomaは手術後化学療法3例、手術2例、化学療法・骨髄移植1例で、治療に関わらず全例PDであり、死亡例は3例であった。Mantle cell lymphoma 3例はそれぞれ、化学療法後手術、手術後化学療法、化学放射線療法が選択されたが、全例CRであった。【結論】小腸リンパ腫の中に占めるFL症例の割合が近年、増加傾向にあった。病型により予後に大きく差がみられ、正確な病理診断と治療法の選択が重要と考えられた。
索引用語 悪性リンパ腫, 小腸