セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
63:保存的治療により改善した敗血症性ショック、DIC、ARDS合併細菌性肝膿瘍の一例
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演者 |
宇田川 晃秀(南部町国民健康保険 西伯病院 内科) |
共同演者 |
陶山 和子(南部町国民健康保険 西伯病院 内科), 田村 矩章(南部町国民健康保険 西伯病院 内科) |
抄録 |
症例は75歳男性。高血圧、糖尿病にて近医通院中であった。2013年2月7日より高熱と頻回の水様性下痢が出現し近医にて加療されていた改善せず、2月11日全身倦怠感の増強と呼吸苦を主訴に救急搬送された。初診時血圧低下、酸素飽和度低下、黄疸、肝機能障害、左方移動を伴う白血球増多、CRPの著増、DICに伴う血小板減少を認めた。腹部CTでは肝右葉に長径7cm大のLDAを認め、腹部エコー所見と併せ肝膿瘍を疑った。胸部CTでは両肺に散在する浸潤影と胸水を認めた。入院直後に呼吸状態悪化し、血圧低下、cyanosis出現、呼吸停止を来したため挿管し人工呼吸器管理となった。敗血症性肺炎、DIC、ARDS合併肝膿瘍と診断し保存的加療を開始した。抗生剤投与後、炎症反応は低下傾向となったが依然高値を示しており、血圧の安定と血小板、凝固機能の改善を確認した後人工呼吸器下に経皮経肝膿瘍ドレナージを行った。肝膿瘍ドレナージ造影では胆道との明らかな交通は認めなかった。血中赤痢アメーバ抗体は陰性であり膿瘍ドレナージからの培養はklebsiella pneumoniaeであった。炎症反応は徐々に改善傾向となり膿瘍腔の縮小も認めた。肝膿瘍改善後に上下部消化管内視鏡検査を行なったが異常所見は認めなかった。本症例では細菌性肝膿瘍の病因特定には至らなかったが、発症初期に高度な腸炎症状があり経門脈性感染により細菌性肝膿瘍が生じたのではないかと推測された。今回保存的治療により改善した敗血症性ショック、DIC、ARDS合併細菌性肝膿瘍の一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
肝膿瘍, 敗血症 |