セッション情報 一般演題

タイトル 18:

高齢男性に発症したミュラー管由来と考えられた後腹膜平滑筋腫の一例

演者 上野 さや香(島根県立中央病院消化器科)
共同演者 塚野 航介(島根県立中央病院消化器科), 中瀬 真実(島根県立中央病院消化器科), 泉 大輔(島根県立中央病院消化器科), 矢崎 友隆(島根県立中央病院消化器科), 山之内 智志(島根県立中央病院消化器科), 園山 隆之(島根県立中央病院消化器科), 伊藤 聡子(島根県立中央病院消化器科), 宮岡 洋一(島根県立中央病院内視鏡科), 藤代  浩史(島根県立中央病院内視鏡科), 高下 成明(島根県立中央病院消化器科), 今岡 友紀(島根県立中央病院消化器科)
抄録 症例は77歳男性。脳梗塞後のリハビリのためリハビリ病院に入院中だった。X年9月血便認め腹部CT施行したところ、腹部腫瘤指摘され11月に当院紹介となった。CTでは右下腹部、回盲部下方に6mmの境界明瞭な軟部濃度腫瘤を認めた。下部消化管内視鏡検査では腫瘤との連続性は指摘できなかった。大腸内に多発大腸ポリープ認め、ダビガドラン内服中であることから血便の原因と考えられた。MRIでは腫瘤は壁側腹膜に接している所見であったことから後腹膜腫瘍と診断し、開腹下に腫瘍摘出術を行った。摘出標本は60×55×4mm、70gの充実性腫瘤で、組織学的には平滑筋腫が疑われる所見であった。免疫染色では子宮内膜間質細胞マーカーであるCD10が上皮下紡錘形間質細胞に陽性、ER及びPgRが平滑筋腫核や繊毛円柱上皮と上皮下紡錘形間質細胞核に陽性であることから、ミュラー管遺残組織由来と考えられた。後腹膜腫瘍は比較的まれな疾患で悪性腫瘍が多い。良性腫瘍の中でも平滑筋腫の頻度は低く、女性に多いとされる。本症の発生母地として、血管や精索の平滑筋細胞や胎生期のミュラー管・ウォルフ管遺残組織の可能性が挙げられるが定説はない。今回我々は発生母地を同定し得た、高齢男性に発生した後腹膜平滑筋腫を経験した為、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 後腹膜腫瘍, 平滑筋腫