セッション情報 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄)

タイトル 49:

CK19陽性肝細胞癌4例の臨床的特徴

演者 林 啓悟(岡山市立市民病院肝疾患センター)
共同演者 狩山 和也(岡山市立市民病院肝疾患センター), 大山 淳史(岡山市立市民病院肝疾患センター), 大西 理乃(岡山市立市民病院肝疾患センター), 涌田 暁子(岡山市立市民病院肝疾患センター), 能祖 一裕(岡山市立市民病院肝疾患センターDELIMITER岡山大学大学院医歯薬学総合研究科分子肝臓病学), 佐藤 雄紀(岡山市立市民病院消化器疾患センター), 西村 守(岡山市立市民病院消化器疾患センター), 難波 次郎(岡山市立市民病院消化器疾患センター), 東 俊宏(岡山市立市民病院肝疾患センター)
抄録 【背景】近年、CK19陽性肝細胞癌(HCC)が通常のHCCに比して低分化で予後が不良であることが知られ、その発生機序や臨床的特徴が注目されている。今回我々は、当院で経験したCK19陽性HCC4例についてその臨床的特徴を報告する。【対象/方法】2012年1月から2013年3月までの間に当院にてCK19陽性HCCと診断した4例について、背景因子、腫瘍因子、治療効果等について検討を行った。【結果】症例は年齢中央値66.5歳(58-68)、男性/女性3/1例、C型肝硬変が1例、アルコール性肝障害が3例、肺癌、胃癌との合併を2例で認めた。肝予備能はChild-Pugh分類A/B/Cで3/1/0であった。臨床病期I/II/III/IVA/IVBは0/1/0/1/2、腫瘍径~30mm/31~50/50~は0/1/3、個数1/2~3/4~9/10~は1/0/0/3であった。肝生検を行ったところ組織は全例CK19陽性低分化型肝細胞癌であった。AFP、PIVKA-IIは1例でのみ高値であった。初回治療はラジオ波焼灼療法(RFA)1例、肝動脈化学塞栓術(TACE)2例、肝動注化学療法(HAIC)1例であった。治療効果はCR1例、PR1例、PD2例であり、PDの2例が2.8ヶ月、8.5ヶ月で死亡、死因はそれぞれHCC、肺癌であった。再発を3例で認め、再発までの平均期間は4.4ヶ月であった。【考察】4例中3例が診断時に肝内多発病変や他臓器転移、脈管浸潤を認める進行癌であった。PD2症例は他疾患の増悪やTACE不応でHAICが継続不能であり、PR、CRの2症例は初回治療後、HAICを継続できた症例であった。継続してHAICを施行できることが予後改善に寄与すると考えられた。
索引用語 CK19, 肝細胞癌