セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 15:膵内副脾を合併した膵内分泌腫瘍の一例 |
演者 | 木田 迪子(広島大学病院 医科研修医) |
共同演者 | 佐々木 民人(広島大学病院 消化器代謝内科), 芹川 正浩(広島大学病院 消化器代謝内科), 南 智之(広島大学病院 消化器代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大学病院 消化器代謝内科), 行武 正伸(広島大学病院 消化器代謝内科), 石井 康隆(広島大学病院 消化器代謝内科), 小酒 慶一(広島大学病院 消化器代謝内科), 毛利 輝生(広島大学病院 消化器代謝内科), 吉見 聡(広島大学病院 消化器代謝内科), 清水 晃典(広島大学病院 消化器代謝内科), 壷井 智史(広島大学病院 消化器代謝内科), 村上 義昭(広島大学病院 消化器外科), 有廣 光司(広島大学病院 病理診断科), 茶山 一彰(広島大学病院 消化器代謝内科) |
抄録 | 症例は50歳代 女性。肥満改善の目的で食事療法を行っていた。約1ヶ月後の夜中、起立後に意識消失し転倒した為、近医へ救急搬送された。頭部CT・MRI及びECG・胸腹部X-pでは異常所見を認めなかったが、血液検査で低血糖(38mg/dl)を指摘され、精査・加療目的に当院転院となった。入院後も低血糖及びIRI・C-peptideの高値を認め、インスリンの過剰分泌が疑われた。腹部造影CTにて、膵尾部に12mm大の早期濃染を伴う類円形の境界明瞭な、内部に一部造影不良域を伴う腫瘤性病変を認めた。脾門部にも10mm大の円形で均一な早期造影効果のある腫瘤を認めた。EUSでは2つの腫瘤は共に、境界明瞭な内部echogenicなSOLとして描出された。MRIでは、脾門部の腫瘤はT1・T2・DWIいずれの所見も、脾臓と同一の信号強度であり、副脾が疑われた。一方、膵尾部の腫瘤は、T2にて、周囲がやや高信号で内部が著明な高信号域を呈しており、DWIでも高信号域として描出され、P-NETが疑われた。確定診断目的に膵尾部の病変に対してEUS-FNAを施行した所、小型索状配列・胞巣状を呈する腫瘍を認めた。免疫染色ではChromogranin(+)・Synaptophysin(+)・insulin(+)であり、インスリノ-マと診断した。多発病変の除外を目的に、SACItestを施行したが、脾動脈近位・遠位以外の血管において、インスリン値の上昇は認めず、単発の病変と診断した。上記よりインスリノ-マ及び副脾と診断し、DPを施行した。病理診断はNET(G1)であり、脾門部腫瘤は副脾であった。手術による偶発症は認めず、術後よりインスリン値の低下・血糖の上昇を認め、術後4ヶ月経過後も無症状・無再発である。今回は、画像診断及びEUS-FNAにて確定診断を行った、インスリノ-マと副脾が合併した稀な症例を経験したので報告する。 |
索引用語 | 膵内分泌腫瘍, SACI test |