セッション情報 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄)

タイトル JR12:

正中弓状靭帯圧迫症候群に伴う前下膵十二指腸動脈瘤破裂により後腹膜出血をきたした1例

演者 原田 拓光(広島市立安佐市民病院 内視鏡内科)
共同演者 高田 俊介(広島市立安佐市民病院 内視鏡内科), 妹尾 慧(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 田中 秀典(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 頼田 尚樹(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 齊藤 裕平(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 平野 大樹(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 上田 裕之(広島市立安佐市民病院 内視鏡内科), 脇 浩司(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 桑原 健一(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 木村 茂(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 永田 信二(広島市立安佐市民病院 内視鏡内科), 辻 恵二(広島市立安佐市民病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】膵十二指腸動脈瘤は腹部内蔵動脈瘤で占める割合は2%と稀ではあるが、後腹膜や腹腔内への出血や、十二指腸に穿破して致命的になることもある疾患である。今回、正中弓状靭帯圧迫症候群に伴う前下膵十二指腸動脈瘤破裂により後腹膜出血をきたした1例を経験したので報告する。
【症例】60歳代男性。家族歴・既往歴に特記事項なし。平成23年6月、朝より心窩部違和感を自覚し、昼頃よりふらつきが出現し転倒し立ち上がれなくなったため救急車で来院した。救急車内で収縮期血圧70mmHg台、脈拍130/分とショックバイタルを呈していた。原因検索のため腹部造影CT検査を施行したところ、後腹膜・腹腔内に多量の血腫が認められた。血腫内部に動脈早期相で前下膵十二指腸動脈に連続した造影剤の貯留を認めるとともに、腹腔動脈起始部に索状物と腹腔動脈の狭窄及び狭窄後拡張を認めたことから、正中弓状靭帯圧迫症候群に伴う前下膵十二指腸動脈瘤破裂による後腹膜出血と診断した。緊急で腹部血管造影検査を施行、前下膵十二指腸動脈に径12mm大の動脈瘤を認め、経動脈的塞栓術を施行した。治療後、浮腫による一過性の十二指腸狭窄が出現し中心静脈栄養を要したが、浮腫は改善し、新たな出血もなく経過良好であり第53病日に退院となった。
【結語】発表では、正中弓状靭帯圧迫症候群に伴う膵十二指腸動脈瘤破裂に関する若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 正中弓状靭帯圧迫症候群, 膵十二指腸動脈瘤