セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 23:ステロイド漸減中発症した壊疽性膿皮症にアダリムマブが著効した1例 |
演者 | 佐上 晋太郎(広島大学病院 消化器・代謝内科) |
共同演者 | 上野義隆 義隆(広島大学病院 内視鏡診療科), 田中 信治(広島大学病院 内視鏡診療科), 永井 健太(広島大学病院 消化器・代謝内科), 岡 志郎(広島大学病院 内視鏡診療科), 吉田 成人(広島大学病院 内視鏡診療科), 日山 亨(広島大学病院 保健管理センター), 伊藤 公訓(広島大学病院 内視鏡診療科), 北台 靖彦(広島大学病院 消化器・代謝内科), 吉原 正治(広島大学病院 保健管理センター), 茶山 一彰(広島大学病院 内視鏡診療科) |
抄録 | (はじめに) 壊疽性膿皮症は炎症性腸疾患の0.5-5%に出現する皮膚の有痛性穿掘性潰瘍であり、時に原疾患よりも深刻なQOL低下を来す合併症である。今回我々は、ステロイド漸減中に壊疽性膿皮症を発症した潰瘍性大腸炎(UC)の一例を経験したので報告する。(症例) 50歳代、女性。22歳時に近医にてUCと診断した。(現病歴) サラゾスルファピリジン内服にて加療されていたが、2013年2月感染性腸炎を契機に症状増悪し、プレドニン(PSL)20mg開始した。漸減中の4月より頻回の血便、腹痛、発熱を認めUCの増悪と診断した。PSL20mg、シプロフロキサシン内服するも改善なく、当科紹介受診となった。当科での大腸内視鏡検査では、直腸から下行結腸に多発性の潰瘍を認めた。(臨床経過) 入院の上、ステロイド60mgの静注療法にて治療開始した。潰瘍は類円形深掘れで、PSL漸減中の再燃であり、サイトメガロウイルス感染合併を疑い、ガンシクロビルを併用した。以後、下血、下痢は改善したためステロイド漸減し、アザチオプリン(AZA)50mg追加、PSL30mgとし5月軽快退院となった。6月外来にてPSLを60mgまで漸減したところ、下痢が増加したためPSL20mg,AZA100mgに増量した。7月下旬より関節痛出現し、同月下旬から左下腿に母指頭大の発赤を認め、徐々に拡大し有痛性となり辺縁が赤紫色に膨隆、中央部に黄色壊死性の浸潤した深い潰瘍を形成した。生検にて真皮深層部から皮下脂肪組織にかけて膿瘍形成を認め、壊疽性膿皮症(Powell分類(1996);潰瘍型)と診断した。PSL増量を考慮したが、本人が拒否したためアダリムマブを開始したところ、2週間後には潰瘍および周囲発赤の縮小を認め、また下痢・関節痛も消失した。(結語) 壊疽性膿皮症に対しアダリムマブが著効したUCの1例を経験した。壊疽性膿皮症に対する治療法にはステロイドやシクロスポリン、白血球除去療法などが報告されているがアダリムマブの有効性については報告が少なく若干の文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | 壊疽性膿皮症, アダリムマブ |