セッション情報 一般演題

タイトル 58:

急激に肝不全へと進行した原発性アミロイドーシスの1剖検例

演者 満田 朱理(鳥取赤十字病院)
共同演者 菓 裕貴(鳥取赤十字病院), 武田 洋平(鳥取赤十字病院), 堀江 聡(鳥取赤十字病院), 柏木 亮太(鳥取赤十字病院), 田中 久雄(鳥取赤十字病院)
抄録 【はじめに】アミロイドーシスとはアミロイドと呼ばれる異常な細繊維蛋白が種々臓器に沈着し機能障害を生じる疾患である.なかでもAL型の原発性アミロイドーシスは極めて予後不良とされる.今回我々は生前に診断に至るも肝不全が進行し,死の転帰となった原発性アミロイドーシスの1剖検例を経験したので報告する.【症例】73歳,女性.【主訴】無し【現病歴】前医にて高コレステロール血症加療中,2011年11月定期検診にて肝腫大および浮腫を認めた.BNPの上昇もあり,うっ血性心不全として加療し,浮腫軽減するも肝腫大持続,2012年6月肝胆道系酵素上昇あり,7月当科紹介入院となる.【入院後経過】循環器科にコンサルトするも心疾患はなく,腹部CTおよび腹部超音波検査では肝腫大を認めるのみで,胆道系に異常認めず,下大静脈の拡張はなかった.血液検査および画像検査からは肝障害の原因不明であり,超音波下肝生検施行した.病理組織所見では類洞に帯状に高度の好酸性物質の沈着を認め,肝細胞はその沈着物質により圧排され萎縮状であった.グリソン鞘にもびまん性に沈着していた.アミロイド-シスと診断し,骨髄穿刺施行したが,形質細胞は1.8%で異型はなく,多発性骨髄腫は否定的であった.尿中B-J蛋白は陰性であった.入院精査中にも黄疸の増強,肝胆道系酵素の上昇は続き,腎機能低下も見られた.8月中旬より腹水出現.8月下旬より透析開始するも全身状態悪化し,入院後2カ月で亡くなられた.家族の同意を得て病理解剖を行った.その結果,心,肝臓,腎臓,胃,膵臓,腸管など全身の臓器にアミロイドの沈着が確認され,κ鎖の沈着によるAL型アミロイドーシスと診断した.骨髄では過形成がみられたが腫瘍性病変はなく,免疫グロブリン軽鎖の産生亢進の原因は特定されなかった.【考察】原発性AL型アミロイドーシスは比較的稀な疾患であり,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 アミロイドーシス, 肝腫大