セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル SR03:

当院における非B非C型肝細胞癌の臨床的検討

演者 山下 賢(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科)
共同演者 河野 博隆(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科), 壷井 章克(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科), 保田 和毅(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科), 水本 健(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科), 檜山 雄一(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科), 山口 敏紀(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科), 山口 厚(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科), 桑井 寿雄(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科), 高野 博嗣(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター 消化器科)
抄録 【目的】近年本邦でのNBNC HCC (HBs抗原陰性かつHCV抗体陰性肝細胞癌) 患者の増加が知られている。当院においても最近3年間の肝細胞癌新規患者数の割合 (2010年:B型 15 %、C型 63 %、NBNC 22 %、2011年:B型 4 %、C型 69 %、NBNC 27 %、2012年:B型 17 %、C型 54 %、NBNC 29 %) は増加傾向である。このため当院における最近3年間のNBNC HCCの臨床的検討を行った。【方法】当院で2010年から2012年の3年間にNBNC HCCと診断された42例を対象とした。性別、年齢、BMI、基礎疾患 (アルコール多飲歴、糖尿病、高血圧、脂質異常症)、肝機能、腫瘍マーカー、腫瘍径、Stageで比較検討した。【結果】男性30例、女性12例であり、平均年齢は75歳 、BMIは23.8 kg/m2であった。アルコール多飲歴は17例 (40 %) であり、全て男性であった 。合併症は糖尿病22例 (52 %) 、高血圧25例 (60 %) 、脂質異常症8例 (19 %) であった。Child-Pugh分類では進行例は少なく (A:B:C=33:7:2) 、ALT 65.2±90.2 U/ml、PLT 14.4±7.60 万/mm2であった。画像上の肝硬変所見は18例 (43 %) に認められた。腫瘍マーカーは、AFP 5210±31557 mg/du、PIVKAII 16692±48606 mAU/mlであった。腫瘍最大径平均値は57 mmであり、単発が26例 (62 %) と多く認められた。StagingではI:II:III:IV=6:16:15:5であり、初回治療法は手術13例 (31 %) 、TAE例 21例 (50 %) 、HAIC 2例 (5 %) が選択されていた。アルコール多飲歴のある男性の糖尿病合併率は85 %であり、多飲歴のない男性の糖尿病合併率41 %と比較して高率であった。AIH、PBCを除外した女性8例の特徴として、高齢 (平均83歳) 、BMI高値 (平均26.6 kg/m2) 、HBc抗体陽性率高値 (67 %) があげられた。【結語】男性では飲酒歴が多く認められ、また飲酒歴のない男性では糖尿病の合併率が高かった。女性は男性と比較してAIH、PBCの割合が多く、HCC発症年齢が高齢であり、またHBc抗体陽性者が高い傾向にあった。
索引用語 NBNC, HCC