セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル SR21:

回腸S状結腸瘻を合併したクローン病の一例

演者 住元 旭(広島記念病院 内科)
共同演者 隅井 雅晴(広島記念病院 内科), 松本 健太(広島記念病院 内科), 山本 隆一(広島記念病院 内科), 山田  朗(広島記念病院 内科), 炭田 知宜(広島記念病院 内科), 児玉 英章(広島記念病院 内科), 田村 忠正(広島記念病院 内科), 津賀 勝利(広島記念病院 内科), 江口 紀章(広島記念病院 内科), 宮本 勝也(広島記念病院 外科), 嶋本 文雄 (県立広島大学人間文化学部)
抄録 クローン病は全消化管に潰瘍性病変を生じる疾患であるが、出血、狭窄、穿孔などの腸管合併症を生じることで外科的手術が必要になることがある。今回我々は、初回診断時に回腸S状結腸瘻を合併していたため、外科手術を行った一例を経験したので報告する。患者は20歳代男性。平成○年5月から下痢、腹痛、37℃台の発熱、血液検査で炎症反応増加があった。紹介医での上部消化管内視鏡検査は異常なく、大腸内視鏡検査は疼痛のためS状結腸の途中までしか挿入されず詳細は不明であったが、炎症性腸疾患が疑われたため、精査、治療目的で同年7月当院に紹介された。初診時のCT検査で、回腸壁の肥厚と回腸、S状結腸間の内瘻の存在が疑われた。大腸内視鏡検査では、回腸末端に腸間膜付着側の縦走潰瘍があり、S状結腸には瘻孔開口部と思われる肉芽腫様隆起を認めた。小腸造影検査では、回腸末端に狭窄を伴う縦走潰瘍を認めたが、内瘻箇所は明らかでなかった。しかし、後日撮影した腹部単純XPで内瘻と思われるバリウム陰影が確認出来た。外科転科とし、回盲部切除、S状結腸部分切除術を行った。当院での過去10年間におけるクローン病外科手術例の集計と若干の文献的考察を含めて報告する。
索引用語 クローン病, 回腸S状結腸瘻