セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 07:腹腔内出血で発症した胃GISTの1例 |
演者 | 武田 洋平(鳥取赤十字病院 内科) |
共同演者 | 菓 裕貴(鳥取赤十字病院 内科), 堀江 聡(鳥取赤十字病院 内科), 柏木 亮太(鳥取赤十字病院 内科), 満田 朱理(鳥取赤十字病院 内科), 田中 久雄(鳥取赤十字病院 内科) |
抄録 | 症例】63歳、女性。【現病歴】3日間続く左季肋部痛のため当院救急外来を受診。腹部単純CTで胃体上部前壁に胃壁と連続した長径50mm大の腫瘤と、骨盤腔内に血性を疑う腹水を認めた。腹部造影CTで腫瘍は胃被膜下の血腫として描出され、粘膜下腫瘍(SMT)の腫瘍内出血から一部、腹腔内出血を合併した病態を考えた。腹腔動脈造影により責任血管を左胃動脈と同定し、コイリングによる血栓塞栓術を施行し止血した。【経過】保存的に経過観察したところ、1ヶ月後の腹部造影CTで腫瘍は長径25mmまで縮小し、辺縁が造影され内部は不均一な低吸収域であった。上部消化管内視鏡検査では胃内腔にSMTを指摘しえず、超音波内視鏡(EUS)で胃前壁に第4層に連続した境界明瞭、辺縁整な内部低エコーと高エコーが混在した腫瘤性病変を認めた。さらに1カ月後の超音波内視鏡では腫瘍は長径10mmまで縮小し、内部は均一な低エコーとなっていた。確定診断を目的に22G針を用いて超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を施行した。病理組織学的には紡錘形の核を有する間質細胞の疎な集塊を認め、免疫染色ではc-kit陽性、CD34陽性で、MIB-1標識率は10%未満であった。以上より壁外発育型胃GISTと診断し、胃部分切除術を施行した。検体は10mmで内部に壊死所見は認めず、免疫組織学的にはEUS-FNAの検体と同様の所見でありGISTと診断した。腹腔内再発に注意し経過観察中である。【考察】胃SMTの手術適応は、有症状か腫瘍径が5.1cm以上、または腫瘍径5cm以下で潰瘍形成、辺縁不整、急速増大、壊死・出血、血流豊富をなど認めるものが絶対適応とされる。また胃GISTの腫瘍内出血のこれまでの報告例では、多くが緊急手術を施行しており、血栓塞栓術後に経過観察後、手術に至った報告は少ない。しかし本例では血栓塞栓術後に腫瘍の縮小を認め、EUS-FNAで術前に確定診断をし外科的切除を施行した。胃SMTの出血時の緊急手術の適応については検討の余地があると考えられた。 |
索引用語 | 胃GIST, 腹腔内出血 |