セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル SR08:

急性膵炎を契機に発見された膵粘液癌の一例

演者 岡本 雄貴(岡山済生会総合病院)
共同演者 藤井 雅邦(岡山済生会総合病院), 石原 裕基(岡山済生会総合病院), 河原 聡一郎(岡山済生会総合病院), 足立 卓哉(岡山済生会総合病院), 關 杏奈(岡山済生会総合病院), 金藤 光博(岡山済生会総合病院), 斎藤 玄哲(岡山済生会総合病院), 村上 尚子(岡山済生会総合病院), 山本 久美子(岡山済生会総合病院), 伊藤 守(岡山済生会総合病院), 石山 修平(岡山済生会総合病院), 川上 万里(岡山済生会総合病院), 藤原 明子(岡山済生会総合病院), 藤岡 真一(岡山済生会総合病院), 大澤 俊哉(岡山済生会総合病院), 吉岡 正雄(岡山済生会総合病院), 塩出 純二(岡山済生会総合病院), 糸島 達也(岡山済生会総合病院)
抄録 症例は70歳代女性。朝食後に嘔吐と心窩部から背部に疼痛を認め近医受診。血液検査にて膵炎を指摘され、当院紹介となった。血液検査で膵酵素が上昇し、CTにて膵腫大、周囲の少量の液体貯留を認め、急性膵炎CT grade1と診断。絶食、補液、抗生剤、蛋白分解酵素阻害剤の投与で改善を認めたが、MRIにて膵体尾部に16mm大のSOLを認め膵体部癌が疑われた。内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)では、膵体部に主膵管の途絶所見を認めた。確定診断のためEUS-FNAを施行し、ClassV(Adenocarcinoma)を認め、膵体尾部切除術を施行した。術後病理組織診断は、Mucinous carcinoma,pbt,TS2,INFβ,ly1,v1,ne0,mpd(-),s(+),rp(+),pv(-),a(-),pl(+),pcm(-),dpm(-),pT3,pN0,StageIVaと診断された。術後経過良好にて退院し、現在外来にてS-1内服による術後化学療法施行中である。膵粘液癌は膵癌取扱規約では通常型膵癌の一亜型と分類され、病理組織学的には著明な粘液産生と粘液結節の形成があり粘液結節や腫瘍周囲の線維化が特徴とされる。頻度は上皮性膵腫瘍の1.3%、浸潤性膵管癌の1.4%とまれである。今回、急性膵炎を契機に発見された膵粘液癌の1例を経験したため当院での報告例を踏まえ、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 膵粘液癌, 急性膵炎