セッション情報 一般演題

タイトル 51:

リンパ節転移巣に対する集学的治療にて良好なコントロールが得られた肝細胞癌の一例

演者 中島 崇雄(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学)
共同演者 浦田 洋平(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 岩本 拓也(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 佐伯 一成(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 日高 勲(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 丸本 芳雄(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 石川 剛(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 高見 太郎(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 内田 耕一(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 寺井 崇二(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 山崎 隆弘(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学)
抄録 【はじめに】肝細胞癌はリンパ節転移の頻度が比較的少ない疾患であるが、リンパ節転移巣の治療に難渋することが少なくない。今回、治療に難渋した肝細胞癌のリンパ節転移に対し集学的治療を行うことで、良好な臨床経過を得られた一例を経験したため報告する。【症例】70歳代男性。35歳時HBV陽性指摘されるも加療はされていなかった。200X年8月、前医にてHCCを指摘されたため当科紹介、手術適応と判断し、9月当院外科にて肝S6亜区域切除術施行。[eg,fc(+),fc-inf(+),sf(+),s0,vp0,vv0,va0,b0,im(-),sm(-),moderately differentiated type]200X+4年1月、S7に再発を認め、5月S7部分切除術施行。[eg,fc(+),fc-inf(+),sf(+),s0,vp0,vv1,va0,b0,im(-),sm(-),moderately differentiated type]200X+5年5月、dynamic CT,PET-CTにて縦隔リンパ節に20mm大、右腎門部リンパ節に25mm大のリンパ節転移を認め、7月よりソラフェニブ800mg開始。12月に施行したdynamic CTにて右腎門部リンパ節の造影効果の増強、増大をみとめたため、200X+6年2月ソラフェニブ中断のうえ、同部位に対し経動脈的治療を施行。200X+7年2月、縦隔リンパ節転移巣増大による左反回神経麻痺が出現したため、ソラフェニブ中断のうえ、同部位に対し放射線治療(60Gy/30fr)施行。200X+7年5月、dynamic CTにて、左腎門部リンパ節の増大、下大静脈への浸潤が疑われたため、ソラフェニブ中断のうえ、同部位に対し放射線治療(50Gy/25fr)施行。200X+7年8月、dynamic CTにて、縦隔リンパ節、左腎門部リンパ節は縮小し、腫瘍マーカーも正常値に改善した(AFP:3.4→1.6ng/ml、AFP-L3:55.9→0.5%未満、PIVKA-II:44→28mAU/ml)。経過中、重篤な偶発症や肝予備能低下、肝細胞癌の再発を認めず、経過良好であり、現在外来通院加療中である。
索引用語 肝細胞癌, リンパ節転移