セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 50:ソラフェニブ無効の肝細胞癌多発肺転移に対しS-1+IFN併用療法が奏功した1例 |
演者 | 壷井 章克(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科) |
共同演者 | 河野 博孝(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科), 保田 和毅(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科), 山下 賢(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科), 檜山 雄一(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科), 水本 健(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科), 山口 敏樹(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科), 山口 厚(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科), 桑井 寿雄(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科), 高野 弘嗣(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター/中国がんセンター 消化器科) |
抄録 | 症例は85歳、男性。2005年にB 型肝硬変を指摘され、ラミブジン内服開始した。2008年1月にUSにて肝細胞癌(HCC)を認め、ラジオ波焼灼(RFA)施行した。2008年12月からアデフォビル内服追加した。2010年9月MRIにて肝内に多発HCCを指摘され、2010年10月に肝動脈塞栓術(TACE)施行した。以後再発するHCCに対してTACE3回、RFA4回施行されてきた。平成24年3月AFP 4480ng/ml、PIVKA-2 3260mAU/mlと腫瘍マーカー高値であり、CTにてTACE施行後S3のHCCに再発を認めたため、4月TACE施行した。6月のCTにて左葉HCC増大、腹膜播種、両側肺野に多発肺転移を認め、腫瘍マーカーはAFP 6753ng/ml、PIVKA-2 6710mAU/mlと上昇していた。T-bil 0.7mg/dl、Alb3.8g/dl、PT 88%、腹水、脳症なく、Child-Pugh5点のgradeAと肝予備能は良好であったため、ソラフェニブ内服開始とした。高齢であったことから400mgより内服開始とし、2週間後副作用出現なく600mgに増量とした。ソラフェニブ内服開始後45日目、腫瘍マーカーはAFP 11646ng/ml、PIVKA-2 28100mAU/mlと上昇を認め、CTでは腹膜播種巣、多発肺転移巣は数、サイズともにすべて増大していたため、ソラフェニブ無効と判定した。7月23日よりテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(以後S-1と表記)+IFN併用療法開始とした。高齢であることからS-1は60mgから投与を開始し、症状を見ながら適宜投与量調節とした。S-1+IFN併用療法開始45日目の腫瘍マーカーはAFP 5539ng/ml、PIVKA-2 1390mAU/mlと低下し、CTでは腹膜播種巣、多発肺転移巣数、サイズとものに縮小しめており、PRと判定し投与継続とした。S1+IFN併用療法開始後7ヶ月目のCTにて遠隔転移はほぼ消失となったが、肝左葉のHCC、腹膜播種巣は一次的には減量効果認めたが、徐々に増大傾向にあり、平成25年5月に30GyのIMRT施行し、肝左葉のHCC、腹膜播種巣は著明に縮小した。S1+IFNにて転移巣、原発巣ともにPRを維持している。肝細胞癌多発肺転移、ソラフェニブ無効例に対し、S1+IFN併用療法が奏功した1例を経験したので、若干の文献的な考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 化学療法 |