セッション情報 一般演題

タイトル 28:

腸閉塞で発症し、バイパス術および化学療法を施行した進行空腸癌の1例

演者 松永 佳子(独立行政法人 国立病院機構 米子医療センター 消化器内科)
共同演者 片山 俊介(片山内科胃腸科医院), 田本 直弘(独立行政法人 国立病院機構 米子医療センター 消化器内科), 香田 正晴(独立行政法人 国立病院機構 米子医療センター 消化器内科), 山本 哲夫(独立行政法人 国立病院機構 米子医療センター 消化器内科)
抄録 〈症例〉51歳、男性。〈主訴〉上腹部痛。〈既往歴〉40歳 早期大腸癌、44歳 アルコール依存症、45歳 右膿胸、46歳 左気胸〈現病歴〉平成2X年10月30日上腹部痛が出現したため、翌31日当科外来受診。腹部超音波検査と上部消化管検査を施行されるも特記すべき所見はみられなかった。その後上腹部痛は落ち着いていたが、嘔気嘔吐のため11月16日再び外来を受診、腸閉塞の診断で入院となった。〈現症〉臍左方に弱い圧痛を認める他は特記すべき所見なし。〈検査所見〉WBC 17100/μl, Hb 14.4g/dl, PLT 409000/μl, TP 8.8g/dl, ALB 5.5g/dl, AST 24IU/L, ALT 22IU/L, ALP 312IU/L, BUN 30mg/dl, Cre 2.99mg/dl, CRP 7.14mg/dl, CEA 2.5ng/ml, CA19-9 124.7U/ml〈腹部CT〉上部空腸に全周性の壁肥厚が認められ、その部位より口側の胃十二指腸は拡張し液面形成がみられた。多発肝転移と腹腔内リンパ節転移、骨盤内に少量の腹水が認められた。〈経過〉イレウス治療のためイレウス管を留置するも上部空腸を通過せず、ガストログラフィン造影ではトライツ靭帯より約8センチに及ぶ全周性壁伸展不良を認めた。小腸内視鏡検査では同部位に腫瘍性狭窄を認め、生検結果は中分化型管状腺癌であった。空腸癌+多発肝転移、多発リンパ節転移の診断のもと12月13日、当院外科で胃空腸バイパス術が施行され12月27日退院となった。平成2X+1年1月5日よりmFOLFOX6を開始し一時肝転移やリンパ節転移の縮小をみるも右副腎への新たな転移が明らかとなり、6月18日よりFOLFORIへ変更したが全身状態悪化のため8月28日より入院、10月29日永眠された。〈考察〉原発性小腸癌は全消化管悪性腫瘍の1%以下と稀であり、早期発見が困難で切除不能進行癌の予後は不良といわれている。化学療法が有効であったという報告をもとに本症例で治療を行なったが、結果有効とは判断出来なかった。治癒切除症例においては長期予後が得られているという報告もあり、いかに早期に発見することが今後の課題であると思われた。
索引用語 空腸癌, 腸閉塞