セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 11:術前化学療法(DCS療法)により組織学的CRが得られた4型進行胃癌の1例 |
演者 | 網崎 正孝(鳥取大学医学部病態制御外科) |
共同演者 | 花木 武彦(鳥取大学医学部病態制御外科), 宮谷 幸造(鳥取大学医学部病態制御外科), 高屋 誠吾(鳥取大学医学部病態制御外科), 松永 知之(鳥取大学医学部病態制御外科), 福本 陽二(鳥取大学医学部病態制御外科), 尾崎 知博(鳥取大学医学部病態制御外科), 斎藤 博昭(鳥取大学医学部病態制御外科), 若槻 俊郎(鳥取大学医学部病態制御外科), 池口 正英(鳥取大学医学部病態制御外科) |
抄録 | 【はじめに】近年、胃癌のさらなる予後向上を目指して術前化学療法が行われるようになってきている。中でもドセタキセルとシスプラチン、S-1によるDCS療法は、その奏効率の高さから特に注目されている。今回、術前化学療法としてDCS療法を2コース施行後に治癒切除を行い、組織学的CRが確認された4型進行胃癌の1例を経験したので報告する。【症例】30代女性【現病歴】上腹部痛を主訴に近医受診。上部消化管内視鏡検査にて胃体部大弯側に粘膜下腫瘤様の腫瘍を指摘された。生検にて低分化型腺癌の診断で加療目的に当科紹介となった。【検査所見】血液検査では軽度の貧血とCA19-9の上昇を認めた。内視鏡検査で胃体部大弯側に4型病変を認め、生検で低分化型腺癌の診断であった。腹部CTでは胃体部に造影効果を有する壁肥厚像を認めたが、明らかなリンパ節腫大や遠隔転移は認めなかった。【治療経過】初めに審査腹腔鏡を施行したところ、腫瘍は漿膜面へ広がっているが他臓器への浸潤は見られなかった。腹膜播種も認めず、腹腔内洗浄細胞診でも悪性所見を認めなかった。以上より4型進行胃癌cT4a(SE)N0M0、cStage IIBと診断し、術前化学療法としてDCS療法(ドセタキセル40mg/m2、シスプラチン60mg/m2;day1、S-1 180mg/m2;day1-14、4週1サイクル)を2コース施行した。内視鏡検査、CT検査所見からは腫瘍縮小を認めておりPRと判定した。その後、胃全摘術ならびに脾摘を伴うD2郭清を行った。術後は良好な経過をたどった。病理組織診断では原病巣に腫瘍細胞の遺残を認めず、組織学的効果判定はGrade3と判断した。術後補助化学療法としてS-1内服開始したが食思不振などの有害事象により、本人の希望も加味し中止した。術後1年半が経過した現在、無再発生存中である。【結語】DCS療法は術前化学療法として考慮すべきレジメンであると考えられた。 |
索引用語 | DCS療法, 術前化学療法 |