セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 01:剥離性食道炎17例の臨床的検討 |
演者 | 今村 良樹(松山市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 水上 祐治(松山市民病院 消化器内科), 小田 眞由(松山市民病院 消化器内科), 小川 明子(松山市民病院 消化器内科), 野村 佳克(松山市民病院 消化器内科), 西山 麻里(松山市民病院 消化器内科), 神野 亜希子(松山市民病院 消化器内科), 木阪 吉保(松山市民病院 消化器内科), 田中 良憲(松山市民病院 消化器内科), 村上 信三(松山市民病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】今回我々は剥離性食道炎(食道粘膜の剥離)について検討をおこない、臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.【対象・方法】対象は2008年5月から2013年3月までの4年10ヶ月間、当院で施行した上部消化管内視鏡検査にて、剥離性食道炎と診断された症例を抽出し、年齢、性別、症状、原因、基礎疾患、内視鏡所見などについて検討をおこなった.【結果】観察期間中に17例が剥離性食道炎と診断されていた.男性7例,女性10例.平均年齢66.4歳(34-85歳).症状はつかえ感・嚥下痛5例、吐血3例、心窩部痛・不快感3例、嘔気・嘔吐1例、なし1例、不明2例.原因としては、薬剤性と考えられるのが2例(ダビガトラン1例、ステロイド1例)、抗癌剤1例、放射線治療1例、化学放射線療法1例、熱い飲食物1例、内視鏡治療後1例、その他3例、7例が不明であった.基礎疾患としては、悪性腫瘍3例、糖尿病3例、心房細動2例、食道アカラシア1例、肝硬変1例、ネフローゼ症候群1例、精神科疾患1例.剥離部位は、上部5例、中部5例、下部5例、食道全長2例.石井らの分類(1型:剥離した粘膜が吹き流し様に白色膜様物質として認められるもの、2型:剥離した粘膜が白色隆起として認められるもの、3型:剥離した粘膜は隆起し剥離した部位に食道内輪筋と思われる横走ひだを認めるもの)では、1型8例、2型8例、3型1例であった.【まとめ】機械的刺激、化学的刺激、温熱刺激、放射線損傷など食道粘膜の脆弱性を引き起こす症例では、剥離性食道炎を念頭において内視鏡検査を施行すべきと思われる.若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 | 剥離性食道炎, 食道粘膜剥離症 |