セッション情報 一般演題

タイトル 20:

後腹膜Schwannomaの1例

演者 永田 友梨(高知大学 医学部 消化器内科)
共同演者 耕崎 拓大(高知大学 医学部 消化器内科), 木岐 淳(高知大学 医学部 消化器内科), 麻植 啓輔(高知大学 医学部 消化器内科), 西原 利治(高知大学 医学部 消化器内科), 濱田 典彦(高知大学 医学部 放射線科), 西岡 明人(高知大学 医学部 放射線科), 宗景 匡哉(高知大学 医学部 外科), 花崎 和弘(高知大学 医学部 外科), 松本 学(高知大学 医学部 病理), 弘井 誠(高知大学 医学部 病理)
抄録 【症例】57歳、男性。【主訴】なし(膵腫瘤の精査)。【現病歴】毎年検診時に腹部超音波検査を施行されていたが異常を指摘されたことはなかった。57歳時の検診時の腹部超音波にて膵頭部の腫瘤を指摘され紹介となる。【経過】腹部CTでは膵頭部に最大径2.5cmの腫瘤を認め、非造影で膵実質より低濃度で、造影では早期相から後期相にかけて淡い造影効果を有していた。MRIでは同部位にT1WIでlow intensity、T2WIで軽度high intensityを呈する腫瘤を認め、DWIではhigh intensityとして描出された。PET-CTでは同部位に早期相でSUVmax 2.3、遅延相でSUVmax 2.9のFDGの集積を認めた。EUSでは膵頭部に辺縁明瞭な円形の腫瘤を認め、内部はisoechogenicityを呈していた。EUS-FNAを施行したが診断には至らなかった。膵腫瘍であれば神経内分泌腫瘍や膵管内乳頭粘液性腫瘍、後腹膜腫瘍であれば脂肪腫、脂肪肉腫、脱分化型脂肪肉腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、神経原性腫瘍などが鑑別診断として挙げられた。外科的治療を選択した。腫瘍は比較的容易に後腹膜より剥離可能で十二指腸胆管温存膵頭切除術を施行した。腫瘍は径25x17mmで異型のない紡錘形細胞が錯綜増殖しておりmyxomatous degenerationや出血を伴っていた。以上より後腹膜Schwannomaと診断した。術後1年6か月現在再発は認めていない。【考察】Schwannomaは末梢神経のSchwann細胞由来の腫瘍で、後腹膜腫瘍の6 %程度と比較的まれな腫瘍であるが後腹膜腫瘍の鑑別として考慮すべき疾患である。
索引用語 schwannoma, 後腹膜