セッション情報 | 一般演題(後期研修医) |
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タイトル | 06:十二指腸神経内分泌腫瘍の1例 |
演者 | 榮 浩行(三豊総合病院 内科) |
共同演者 | 今川 敦(三豊総合病院 内科), 寺澤 裕之(三豊総合病院 内科), 吉田 泰成(三豊総合病院 内科), 藤原 学(三豊総合病院 内科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院 内科), 神野 秀基(三豊総合病院 内科), 加地 英輔(三豊総合病院 内科), 守屋 昭男(三豊総合病院 内科), 幡 英典(三豊総合病院 内科), 中津 守人(三豊総合病院 内科), 安東 正晴(三豊総合病院 内科), 遠藤 出(三豊総合病院 外科), 宇高 徹総(三豊総合病院 外科), 宮谷 克也(三豊総合病院 病理診断科) |
抄録 | 症例は70歳代男性、2012年12月にアルコール性ケトアシドーシス、急性腎不全で当科入院、保存的加療にて全身状態は改善傾向を認めた。入院時に腹痛を訴えていたため、上部消化管内視鏡検査を施行したところ、十二指腸上十二指腸角(SDA)に15mm大の境界不明瞭な粘膜下腫瘍様病変を認め、隆起部分の粘膜は浮腫状で、中心に発赤、陥凹を伴っていた。同部位からの生検で、類円形核を有する均一な細胞のシート状増生を認め、免疫染色にてクロモグラニンA陽性、シナプトフィジン陽性で十二指腸神経内分泌腫瘍と診断された。腹部造影CTではSDAの右側壁に早期濃染部を認め、そのすぐ尾側の十二指腸壁外にも同様に濃染する10mm大の小結節を認めた。EUSでは、境界明瞭な腫瘍としては指摘できなかったものの、第2、3、4層の肥厚を認め、漿膜外側に一部連続して10mm大の境界明瞭な類円型低エコー腫瘤を認め、CTで指摘された壁外の小結節に一致すると考えられた。画像検査上は、他部位に転移を疑う所見は認めなかったため、十二指腸原発の神経内分泌腫瘍と診断し、2013年2月に当院外科で十二指腸分節切除術が施行された。病理組織検査では、病変は約9mmで、異型の比較的目立たない均一な細胞成分により構成された、管腔構造を伴う大小胞巣よりなる腫瘍増生で、固有筋層への浸潤、脈管浸潤を認めた。Ki-67標識率>3%、核分裂像は1/10HPF以下であった。また、十二指腸壁外の小結節はリンパ節転移と考えられ、NET G2、T2N1M0、Stage3Bと診断された。現在術後2か月を経過し、無再発生存中である。本邦における全消化管神経内分泌腫瘍の有病率は0.003%とされ、十二指腸神経内分泌腫瘍はそのうち13.8%と比較的稀であり、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 十二指腸, 神経内分泌腫瘍 |