セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 07:多発小腸潰瘍による大量出血で発症した末梢T細胞リンパ腫の1剖検例 |
演者 | 竹治 智(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学) |
共同演者 | 黒田 太良(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 北澤 理子(愛媛大学大学院 分子病理学), 川崎 敬太郎(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 八木 専(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 有光 英治(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 渡辺 崇夫(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 森 健一郎(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 高山 宗三(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 山本 安則(愛媛大学医学部附属病院 光学医療診療部), 布井 弘明(愛媛大学大学院 地域生活習慣病・内分泌学), 壷内 英治(愛媛大学医学部附属病院 光学医療診療部), 廣岡 昌史(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 池田 宜央(愛媛大学医学部附属病院 光学医療診療部), 薬師神 芳洋(愛媛大学大学院 臨床腫瘍学), 北澤 荘平(愛媛大学大学院 分子病理学), 日浅 陽一(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学) |
抄録 | 【症例】75歳,男性【主訴】血便・貧血【臨床経過】平成22年7月,血便・貧血を主訴に当科受診.精査目的で施行したカプセル内視鏡検査,及び,ダブルバルーン内視鏡検査において回腸に潰瘍が散見された.病理組織所見より非特異的多発小腸潰瘍と診断しプレドニゾロン内服を開始した.平成23年6月頃より自己判断でプレドニゾロン内服を中断されていたところ,同年7月,発熱,食欲低下,CRP高値がみられた.下部消化管内視鏡検査では回腸末端にびらんを認めるのみであり,非特異的小腸潰瘍は治癒傾向にあった.一方,末梢血に骨髄細胞が出現しており精査を行った結果,骨髄異形成症候群(MDS;refractory cytopenia with multilineage dysplasia)と診断された.プレドニゾロン内服を再開し,食欲は回復し血便もなく当科及び血液内科外来で経過観察されていた.平成24年11月,全身倦怠感や食欲低下が出現し,翌日未明に血便がみられ当院へ救急搬送.補液及び輸血により一旦状態は安定したが,出血性ショックに至り永眠された.遺族の同意を得て病理解剖が行われた.【剖検結果】肉眼所見:下部消化管内に血性物が多量に貯留.空腸から回腸(空腸>回腸)に,弾性硬に隆起した5-10mm大の一様にUL-II程度の潰瘍が多発.病理組織所見:潰瘍部にCD3陽性,CD8陽性,CD56陰性,Granzyme B陽性,TIA1陽性を示す腫瘍細胞が粘膜下層の血管壁へ浸潤し,血管破綻を来していた.腫瘍細胞は,脾臓,心筋,肝へ浸潤,小腸粘膜にはEBV-LMP1陽性細胞がみられ,Epstein-Barrウイルス(EBV)感染に関連した末梢T細胞リンパ腫と診断した.【まとめ】本症例ではMDSやステロイド投与による免疫低下によりEBVが活性化し、同ウイルスに関連した末梢T細胞リンパ腫による多発空回腸潰瘍から大量出血を来したと考えられる.本邦において小腸原発悪性リンパ腫は,消化管原発悪性リンパ腫の21%程度,うちT細胞性は13%程度と報告されている.致死的な消化管出血で発症する末梢T細胞リンパ腫の報告例は稀であり,文献的考察を含め報告する. |
索引用語 | 小腸潰瘍, 末梢T細胞リンパ腫 |