セッション情報 | 一般演題(後期研修医) |
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タイトル | 37:虚血性大腸炎を合併した直腸動静脈奇形の1例 |
演者 | 丸橋 朋子(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科) |
共同演者 | 滝下 誠(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 松本 和久(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 多田 真理枝(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 藤本 美幸(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 井内 貴彦(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 伊藤 祐司(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 大島 康志(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 答島 章公(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 高橋 秀夫(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 篠原 正幸(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 東 博之(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 内科), 徳元 善昭(1 JA徳島厚生連阿南共栄病院 放射線科), 上原 久典(3 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 環境病理学) |
抄録 | 症例は60歳代男性。50歳代で脳梗塞の既往があり抗血小板剤を内服していた。平成23年に胆管結石症で総胆管空腸吻合術を受けた。平成24年2月に大量下血と腹痛を主訴に近医を受診し同日入院した。上部消化管内視鏡検査およびS状結腸内視鏡検査で出血部位を確認できず、精査目的に第5病日に当科に転院した。当科入院時には腹痛と下血は既に軽快していたが、Hb7g/dlと貧血を認めた。第6病日の造影CT検査では腸管に炎症所見はなかったが肛門管直上の直腸下部に拡張した血管が認められた。同部へ下部腸間膜動脈の流入と拡張した下腸間膜静脈への流出がみられ、直腸壁内の動静脈奇形と思われた。また拡張した下腸間膜静脈は門脈直下の上腸間膜静脈へ合流していた。第9病日の下部消化管内視鏡検査では、上行結腸から直腸Rbまでのびらんと縦走潰瘍を認め、生検組織所見も含めて虚血性大腸炎と診断した。またCTで指摘されていた直腸下部では粘膜下に拡張蛇行した血管が疑われ、超音波内視鏡検査でも直腸動静脈奇形の所見に合致した。以上より直腸動静脈奇形の盗血による虚血性大腸炎を疑った。症状が自然軽快しており初発で合併症もあることから保存的治療で経過観察した。抗血小板剤を再開後も再出血なく第18病日に退院した。本症例では直腸動静脈奇形による動脈血の盗血と、下腸間膜静脈と上腸間膜静脈領域の静脈の鬱滞により広範囲におよぶ虚血性大腸炎の原因となった可能性が示唆された。直腸やS状結腸の動静脈奇形は稀な疾患ではあるが虚血性大腸炎の原因のひとつと考えられ、IVRや外科的切除を行った症例が報告されており、本例でも再発することがあればこのような治療を考慮している。 |
索引用語 | 直腸動静脈奇形, 虚血性大腸炎 |