セッション情報 | 一般演題(初期研修医) |
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タイトル | 35:病理解剖にて診断し得た神経内分泌癌を含む横行結腸高分化型腺癌の一例 |
演者 | 浪口 謙治(愛媛県立中央病院 臨床研修センター) |
共同演者 | 平岡 淳(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 白石 明子(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 山子 泰加(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 清水 祐宏(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 宮田 英樹(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 道堯 浩次郎(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 米湊 健(米湊内科胃腸科) |
抄録 | 【症例】52歳、男性。【主訴】下痢。【既往歴】特記事項なし。【現病歴】平成25年12月初旬より下痢がみられていた。近医にて整腸剤の投与受けるも軽快せず、血液検査、腹部エコー検査にて肝機能異常、肝脾腫がみられたため精査目的で同12月末に当科紹介入院となった。入院時の理学所見は肝を肋弓下4横指触知する以外は特記事項なく、血液検査はT-Bil 1.7mg/dl、AST 87U/ml、ALT 62U/ml、γ-GTP 701U/ml、ALP 683U/ml、WBC 8590/μl、CRP 2.5mg/dl、IgM-HA抗体陰性、HBsAg陰性、HCV抗体陰性、AFP 6.0ng/ml、L3分画 0.5%>、PIVKA-II 3268mAU/ml、CEA 2.4ng/ml、CA19-9 127.4U/ml、sIL-2R 951U/ml。大腸内視鏡検査施行で横行結腸にlaterally spreading tumorを指摘された。生検結果は高分化型腺癌であった。腹部超音波検査(B-mode)では肝は粗く腫大がみられたが、明らかな腫瘤は指摘されなかった。腹部造影CTで、両葉に多発する小多発肝腫瘍と傍大動脈リンパ節に1箇所腫脹がみられた。FDG-PET/CTを施行したところ肝全体にびまん性にFDGの集積がみられ(SUVmax=13.1)、大腸腫瘍部とリンパ節腫脹部にFDGが取り込まれていたが他に明らかな悪性病変は指摘できなかった。ソナゾイドによる造影超音波下で施行した肝腫瘍生検で神経内分泌癌と診断された。当初、肝原発神経内分泌腫瘍と大腸癌の重複症例と診断したが、急速な肝不全進行・全身状態の悪化があり、積極的加療は行えず入院28日目に死亡された。病理解剖にて、横行結腸癌は粘膜層に限定するが腺底部に神経内分泌癌への移行像がみられ、大腸原発の神経内分泌癌による多発肝転移と診断した。大腸内分泌癌は全結腸癌の0.2%とされる、また、内分泌癌は一般型腺癌から発生する可能性も示唆されている。今回、我々は剖検にて診断し得た高分化型大腸癌に神経内分泌癌を含んだ多発肝転移の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 大腸神経内分泌癌, 大腸癌 |