セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 02:

PPI服用中のGERD患者の症状についての検討

演者 影本 開三(独立行政法人国立病院機構高知病院)
共同演者 井上 修志(独立行政法人国立病院機構高知病院), 三井 康裕(独立行政法人国立病院機構高知病院), 板垣 達三(独立行政法人国立病院機構高知病院), 岡本 博司(国吉病院), 国吉 宣俊(国吉病院), 佐野 修一(川村病院), 田中 肇(川村病院)
抄録 【はじめに】本邦において,高齢化やH.pylori(HP)感染率の低下に伴い胃食道逆流症(GERD)は増加傾向にある。その治療に関してはプロトンポンプ阻害薬(PPI)がファーストチョイスされある程度の効果は見られている。しかし、PPIの投与にもかかわらず症状が完全に消失しない症例が多々見られることが報告されるように成った。そこで今回当院と高知県内の市中三病院との共同研究でGERD患者でPPI投与治療されている症例に対して症状の実態について調査したので報告する。【対象と方法】2012年9月-2013年4月の間に当院と共同研究病院においてPPIによる治療を受けているGERD患者さんに対して胸やけ、呑酸等の残症状について外来でチェックシートに記入頂き検討した。【結果】当院においては108例で平均年齢70.0±12.3歳を対象とした。それらの症例のうち108例中、症状の残っている症例は40例(37.0%)、その中で女性67例中、症状の残っている症例は33例(49.2%)、男性では41例中、症状の残っている症例は7例(17.1%)であった。ロサンゼルス分類別においては、GradeMが86例中、症状の残っている症例は34例(39.5%)、GradeAが12例中、症状の残っている症例は5例(41.7%)、GradeBが6例中、症状の残っている症例は0例、GradeCが4例中、症状の残っている症例は2例(50.0%)であった。全体で何らかの症状のある症例は36%であった。他の三病院も同様の検討で約30-50%に症状が残存したとの結果であった。 【考察】PPI内服にもかかわらず、GERD患者の約30-50%の患者に症状が残存しており、GradeMのNERD患者にも多く症状残存が認められた。これはNERDの病態には様々な病態が考えられ、現在はGERDの中で60%以上を占めると言われているNERDに対しての治療の難しさが改めて明らかになった。今後は症状の残る患者に対して症例を集積し細かく検討し治療法を確立出来ればと思われた。
索引用語 GERD, PPI