セッション情報 シンポジウム1「肝胆膵疾患領域における診療の現状と展望」

タイトル S1-03:

3.0T Gd-EOB-DTPA造影MRI(EOB MRI)によるMultimodality fusion imagingを用いた経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)

演者 浦田 真里(徳島県立中央病院 消化器内科)
共同演者 柴田 啓志(徳島県立中央病院 消化器内科), 高岡 慶史(徳島県立中央病院 消化器内科), 岡田 泰行(徳島県立中央病院 消化器内科), 面家 敏宏(徳島県立中央病院 消化器内科), 北添 健一(徳島県立中央病院 消化器内科), 鈴木 康博(徳島県立中央病院 消化器内科), 中本 次郎(徳島県立中央病院 消化器内科), 青木 秀俊(徳島県立中央病院 消化器内科), 矢野 充保(徳島県立中央病院 消化器内科)
抄録 RFAは、肝癌の局所治療として重要な役割を担っており、そのimage-guided interventional procedureのイメージングとして超音波は最も広く用いられている。Bモードで同定できない病変に対しては、ソナゾイド造影超音波が有用だが、体表より10cmを超えた深部病変の病変はその音圧の低さから明瞭な描出が困難な場合がある。Multimodality fusion imagingは、超音波画像とCTやMRIなどの画像をfusionさせるシステムであり、超音波プローブに取り付けた磁気センサーの位置情報を用いて超音波断面と同じ断面の画像を、取り込んだCTやMRI画像のVolume data からリアルタイムで作成し、プローブの動きに追従させ、2種類の画像をside-by-sideで表示することにより、肝癌の解剖学的な位置を推定することができる。しかし、CTを用いてfusionする場合、early phaseで早期濃染を示した腫瘍にマーキングを行うと脈管に造影効果が認められていない場合があり、客観的に同定することが難しいことがある。2012年10月、新病院が開院し3.0TのMRIが導入され、EOB MRIの肝細胞相を用いたRVS併用RFAが可能となった。当科において、2009年1月より2012年9月まで、のべ338例の肝癌に対するRFAを行い、そのうち日立のReal Vertial Sonograhy (RVS)を併用した症例は、29例(7.5%)だったが、2012年10月からの57例では、9例(15.8%)の症例でRVSを併用していた。EOB MRIの肝細胞相は、腫瘍や脈管の描出に優れ、胆管も明瞭に描出することができる。肝癌に対してRFAを行う場合最も重要な点は、治療目標となる肝癌の同定であり、また、合併症を予防するためには、脈管や胆管との位置関係が明瞭に描出できることが必要である。その点、EOB MRIの肝細胞相を用いたRVS併用RFAは有用な治療法と思われる。
索引用語 肝癌, RFA