セッション情報 一般演題

タイトル 38:

結腸癌を疑い手術を行った結腸腸間膜脂肪織炎の1例

演者 秋田 聡(石川記念会 HITO病院 外科)
共同演者 谷川 和史(石川記念会 HITO病院 外科), 末広 和長(石川記念会 HITO病院 外科), 佐藤 元通(石川記念会 HITO病院 外科), 扇喜 智弘(石川記念会 HITO病院 内科), 扇喜 真紀(石川記念会 HITO病院 内科), 神 賀代(石川記念会 HITO病院 内科)
抄録 腸間膜脂肪織炎はまれな疾患であり、原因不明で症状も多彩なため診断は困難である。我々は結腸狭窄のため結腸癌を疑い、緊急手術を要した一例を経験した。症例は46歳の男性。アルコール性肝硬変、急性膵炎の既往がある。腹痛、腹部膨満を主訴に受診した。腹部CTでは上行結腸から肝弯曲にかけて拡張があり、その尾側に壁肥厚を認めた。3日後のCTでは周囲炎症像が強くなっていた。イレウス状態のためイレウス管で減圧したが軽快せず、腹膜刺激症状も認めたために緊急手術を行った。肝弯曲部の上行結腸に一塊となった腫瘤を認め、結腸を閉塞していたために、右半結腸切除を行った。摘出標本の結腸の粘膜面は正常で粘膜下腫瘍を疑った。病理組織学的には漿膜下に鹸化を伴う脂肪織炎と繊維化した肉芽腫を認め腸間膜脂肪織炎の診断であった。術後肝硬変合併に起因する腹水貯留を認めたが、腹水コントロールを行い術後40日で軽快退院した。大腸腸間膜に発生し、イレウスを発症した腸間膜脂肪織炎は極めてまれで診断に難渋した。腸間膜脂肪織炎に関して文献的考察を加えて報告する。
索引用語 腸間膜脂肪織炎, 結腸癌