セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 21:

急性発症型自己免疫性肝炎の臨床経過を合併した男性原発性胆汁性肝硬変の一例

演者 岡本 千聡(済生会松山病院 内科)
共同演者 稲田 暢(済生会松山病院 内科), 宮本 裕也(済生会松山病院 内科), 青野 通子(済生会松山病院 内科), 中口 博充(済生会松山病院 内科), 久米 美沙紀(済生会松山病院 内科), 梅岡 二美(済生会松山病院 内科), 村上 英広(済生会松山病院 内科), 沖田 俊司(済生会松山病院 内科), 宮岡 弘明(済生会松山病院 内科), 岡田 武志(済生会松山病院 内科)
抄録 【症例】52歳男性 【主訴】悪心【現病歴】2007年から脂質異常症で通院中。2009年12月のZTTは基準範囲内であったが2011年1月から漸増していた。また、2011年以降、γ-GTが時々軽度上昇していた。2013年1月に悪心を認め当科受診。AST 404 IU/L ALT 663 IU/L ALP 441 IU/L γ-GT 579 IU/L T-BIL 1.36mg/dlと肝胆道系酵素の上昇を認めたため、精査加療目的で入院となった。【既往歴】脂質異常症、脱毛症【薬剤歴】フェノフィブラート、フィナステリド【生活歴】機会飲酒【現症】身長170cm 体重88.2kg BMI30.5.体温36.7℃ 血圧130/80mmHg 身体所見に特記すべき点なし【検査所見】RBC 549万/μl,Hb 17.9g/dl,WBC 5930/μl (St 49.6 Ly33.1 Mono 7.3 Eos 8.3),Plt23.7万/μl,AST 436IU/L,ALT 685 IU/L,ALP 388 IU/L,LD 308 IU/L,γ-GT 629 IU/L,ChE 300 IU/L,LAP 157 IU/L,T-BIL 1.24mg/dl,ZTT 30.7U,フェリチン 2016.0ng/ml, PT 108% 腹部US;やや腫大、SOL(-)、 fatty liver (-)【治療経過】急性肝障害と考え、安静、定期薬中止にて治療開始。IgM-HA抗体(-)、IgM-HBc(-)、HCV-RNA(-)、フェノフィブラート及びフィナステリドのDLST(-)、Cu、セルロプラスミンは正常値であった。ANA 80倍 nucleolar pattern、AMA M2陽性、IgG2379 mg/dl、IgG4 72 mg/dl、IgM132 mg/dl、IgA202 mg/dlであった.入院10日目にエコー下肝生検施行。慢性非化膿性破壊性胆管炎を認めたためPBCと診断、加えて、肝実質の炎症細胞浸潤が著明であり、中心静脈周囲に巣状壊死があることから急性発症型AIHを合併したと考えられた。2011年からZTTが漸増してしたことも考慮し、基礎疾患がPBCであり、AIHを合併したと考えた。入院12日目からUDCA600mgを開始し経過良好にて入院19日目に退院となった。しかし、退院後48日目にAST 518 ALT695 ALP290と再燃を認めPSL60mgを開始。現在漸減を行っている。【まとめ】急性発症型AIHの臨床経過を合併した男性PBCを経験した。PBC/AIH overlap症候群の病態については不明な点も多く、症例の蓄積が望まれる。
索引用語 PBC/AIHオーバーラップ症候群, 男性