セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 40:

サイトメガロウイルス腸炎の合併を契機にSweet病のを合併発症を認めたした潰瘍性大腸炎の1例

演者 武原 正典(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学)
共同演者 岡久 稔也(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 香川 美和子(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 村山 典総(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 松本 友里(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 寺前 智史(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 岡崎 潤(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 大塚 加奈子(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 岸 久美子(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 中村 文香(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 藤野 泰輝(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 三好 人正(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 高場 梓(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 郷司 敬洋(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 高岡 遠(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 矢野 弘美(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 北村 晋志(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 宮本 弘志(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 六車 直樹(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学), 高山 哲治(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 消化器内科学)
抄録 症例は40歳代男性。2011年1月血便が出現し、近医で直腸炎型の潰瘍性大腸炎と診断され、当科に紹介。5-ASA製剤、ステロイド局所療法を行うも血便が持続し、関節痛の出現を認めたためプレドニゾロン(PSL)内服を開始し、症状の軽快を認めた。2013年1月より粘血便、関節痛が出現したため、PSL20mgの内服を再開した。2月6日の大腸内視鏡検査では直腸に血管透見の低下を認めるのみであったが、PSL5mg/日へ減量した3月初旬頃から、粘血便の増悪と発熱が出現し、3月25日入院となった。入院時、排便回数6回/日以上で著明な血便を認め、体温39.2 ℃、WBC 11,700 /μL、CRP 9.28 mg/dL、Hb 9.5 g/dL、ESR>140 mm/hと重症の潰瘍性大腸炎であった。入院翌日より顔面から躯幹に圧痛と浸潤を伴う浮腫性の紅斑と膿疱が出現して次第に増悪した。膿疱からの生検では、表皮から真皮に好中球の浸潤が認められ、Sweet病と診断した。内視鏡検査で直腸に深い不正形潰瘍の多発と自然出血がみられ、組織診で好塩基性の細胞質を有した大型の細胞を認め、CMV腸炎と診断した。ガンシクロビル、PSL40mg/日の投与を開始し、速やかに発熱、粘血便、皮疹の消失を認めた。Sweet病は、突発的な発熱、白血球数増加、皮膚上層への好中球の集簇を伴う圧痛のある隆起性紅斑を特徴とした皮膚疾患である。最近、その発症にG-CSFが関与することが報告されている。しかし、Sweet病を合併した潰瘍性大腸炎報告例は比較的稀であり、その病態は未だ不明である。本例は、皮疹出現時にG-CSFの上昇を認め、皮疹消失後に低下したことより、CMV感染が契機となって潰瘍性大腸炎の増悪とG-CSFの上昇をきたしSweet病を発症したと考えられ、文献的考察を加え報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, Sweet病