セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 43:

腸重積を来した上行結腸巨大脂肪腫の2例

演者 行本 敦(市立宇和島病院 内科)
共同演者 宮本 安尚(市立宇和島病院 内科), 花山 雅一(市立宇和島病院 内科), 小幡 善保(市立宇和島病院 内科), 竹下 英次(市立宇和島病院 内科), 清家 祐貴(市立宇和島病院 内科), 岡本 傳男(市立宇和島病院 内科), 市川 幹郎(市立宇和島病院 内科)
抄録 【緒言】大腸脂肪腫は無症状のことが多いが、増大するにつれ腹痛、便通異常が出現し時に腸重積を併発する。今回、腸重積を来した上行結腸巨大脂肪腫の2例を経験した。成人での腸重積は稀であり、当院で過去5年間における上記の脂肪腫2例を含む成人腸重積症例6例を併せて報告する。【症例】症例1は60歳代の男性。食後に出現する上腹部痛を主訴に来院した。腹部造影CTでは上行結腸の腫瘍を先進部として横行結腸に向かい重積していた。下部消化管内視鏡検査では腫瘍の表面粘膜は脱落していた。腫瘍は固く内視鏡的に整復を試みたが困難であり、手術により腸重積の解除をおこなった。腫瘍は直径が44mmであり、粘膜下を主体とする脂肪腫であった。症例2は50歳代の男性。既往歴に虫垂炎の手術歴がある。腹部膨満感、嘔吐、右側腹部痛を主訴に来院した。腹部単純CTでは上行結腸から回腸に向かい、腫瘍を伴った逆行性の腸重積がみられた。手術によって腸重積の解除を行った。腫瘍は直径35mmの粘膜下を主体とする脂肪腫であった。過去5年間の当院における成人の腸重積症例は上記の脂肪腫2例の他、大腸癌2例、小腸腫瘍1例、腫瘍を認めない特発性が1例であった。手術以外の整復は困難で6例中5例に手術が行われており、全身状態不良のため手術を行わなかった1例は死亡した。【まとめ】上行結腸巨大脂肪腫の2例を経験した。糜爛や出血を伴う巨大脂肪腫は質的診断が困難な場合があり、慎重な検討が必要と考えられた。
索引用語 腸重積, 脂肪腫