セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 19:

膵胆管合流異常に併発し、著明な肝内胆管拡張を認めた胆管癌の1例

演者 花山 雅一(市立 宇和島病院)
共同演者 行本 敦(市立 宇和島病院), 上野 義智(市立 宇和島病院), 小幡 善保(市立 宇和島病院), 竹下 英次(市立 宇和島病院), 清家 裕貴(市立 宇和島病院), 宮本 安尚(市立 宇和島病院), 岡本 傳男(市立 宇和島病院), 市川 幹郎(市立 宇和島病院)
抄録 【緒言】解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天奇形を膵胆管合流異常といい、高率に胆道癌を合併することが知られている。演者らは来院時検査で著明な肝内胆管の拡張を認め、膵胆管合流異常に併発した胆管癌の1例を経験したので報告する。【症例】37歳女性。平成24年9月に腹部違和感の自覚。近医で施行した腹部エコーで胆嚢腫大を指摘され、当科外来を紹介受診した。来院時血液検査でT-bil 3.1mg/dl,AST 249U/l,ALT 242U/l,LDH 285IU/l,ALP 3659 mg/dl.γ-GTP 700mg/dl,CRP 5.92 mg/dlと肝胆道系酵素および炎症反応の上昇を認めたが、腫瘍マーカーの上昇は認めなかった。腹部CTでは肝内に嚢胞状に著明に拡張した肝内胆管を認め、拡張肝内胆管内には腫瘤状陰影を認めた。また、肝内には転移を疑う腫瘤状陰影が多発しており、周囲リンパ節にも転移が疑われた。胆道系の評価のためMRCPを施行したところ、Vater乳頭より高位で総胆管が主膵管に合流し共通管を形成している像を確認し、膵胆管合流異常胆管拡張型と診断。画像所見および細胞診の結果より胆管癌Stage4bと診断した。診断時点で手術適応はなく、化学療法を施行したが治療効果はなく死亡した。【まとめ】本症例は肝内胆管の嚢胞状の著明な拡張が見られ、肝外胆管の拡張も認め、肝門部には腫瘤による胆管の閉塞を認めた。膵胆管合流異常に本症例のような嚢胞状の肝内胆管の著明な拡張を伴った胆管癌を併発することはまれと思われ、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆管癌, 膵胆管合流異常