セッション情報 | 一般演題(後期研修医) |
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タイトル | 05:胃発癌・予後予測因子としてのAID (activation-induced cytidine deaminase)発現の意義 |
演者 | 江藤 祥平(徳島大学 消化器・移植外科学) |
共同演者 | 島田 光生(徳島大学 消化器・移植外科学), 栗田 信浩(徳島大学 消化器・移植外科学), 岩田 貴(徳島大学 消化器・移植外科学), 佐藤 宏彦(徳島大学 消化器・移植外科学), 吉川 幸造(徳島大学 消化器・移植外科学), 東島 潤(徳島大学 消化器・移植外科学), 近清 素也(徳島大学 消化器・移植外科学), 西 正暁(徳島大学 消化器・移植外科学), 柏原 秀也(徳島大学 消化器・移植外科学), 松本 規子(徳島大学 消化器・移植外科学) |
抄録 | 【目的】Helicobacter pylori (H.pylori)感染下の胃発癌において、遺伝子変異酵素AID (activation-induced cytidine deaminase)は重要な役割を果たしているが、臨床病理学的因子との関連は明らかでない。またProtein kinase Ciota (PKCiota)は各癌腫において腫瘍浸潤・転移に関与するとの報告があるが、その下流のNFκBはAIDに対するeffectorでもある(Gastroenterology 2012)。今回、我々はAID発現と臨床病理学的因子・PKCiota発現との関連を検討し、興味ある知見を得たので報告する。【方法】胃癌手術症例で術前に血清抗H.pylori IgG抗体(10U/m以上: 陽性)を測定した59例(StageI,II / III,IV=34/25)を対象にAID発現とH.pylori感染・臨床病理学的因子・PKCiota発現との関連を検討した。癌部・非癌部AID、PKCiota発現は免疫染色にて評価を行い、AID:陽性細胞(細胞質)/全細胞≧50%、PKCiota:weak(2+)/5段階以上を陽性とした。【結果】非癌部:AID陽性群(n=41)は陰性群(n=18)と比較してH.pylori陽性症例(44% vs. 78%)が有意に多かったが、その他の因子については差を認めなかった。癌部:AID陽性群(n=47)は陰性群(n=12)と比較して分化型(17% vs. 57%)、PKCiota陽性症例(33% vs. 77%)が有意に多かったが、その他の臨床病理学的因子には差を認めなかった。AID陽性群の2年無再発生存率で低値であり(陽性80% vs. 陰性100%)、PKCiota陽性群も低値であった(陽性83% vs. 陰性100%)。【結語】非癌部AID発現は胃発癌に関与しており、癌部での発現は予後予測因子となる可能性がある。 |
索引用語 | 胃癌, AID |