セッション情報 一般演題

タイトル 36:

血液透析患者に対しテガフール・ウラシル/ホリナートカルシウム療法が有効であったStage4結腸癌の1例

演者 速瀬 啓純(南国中央病院 内科)
共同演者 小林 道也(高知大学医学部医療学講座医療管理学分野), 岡本 健(高知大学医学部医療学講座医療管理学分野), 前田 広道(高知大学医学部附属病院がん治療センター), 竹下 篤範(特定医療法人竹下会竹下病院), 小田 浩睦(特定医療法人竹下会竹下病院)
抄録 【方法】透析患者の切除不能進行大腸癌に対し原発巣切除後、UFT/LV療法を行い、安全かつ一定期間ではあるが癌のコントロールができた症例を経験したので報告する。【成績】肝S8に8×7cm、S6に5×4cm、その他にも腫瘤が多数認められた。透析中の出血予防のために原発巣切除を行うこととした。腹腔鏡補助下右結腸切除術およびD2リンパ節廓清、機能的端々吻合を行った。術後17日目より肝転移に対しUFT 300mg/日、ユーゼル75mg/日の内服を開始した。6時、14時、22時に内服を行い、4週内服・1週休薬を1コースとした。3コース終了後にはCEAが8.6ng/mlと低下し、CTでも肝転移巣の縮小(肝S8 4×3.5cm、S6 2.5×2.5cm)を認めた。しかし、肝転移巣が再度増大したため7コースで終了し、2次治療としてCPT-11・セツキシマブを投与中である。【結語】本症例は、UFT/LV療法を重篤な副作用なく約9か月(7コース)治療を行い一定期間、腫瘍の縮小を認めた。2次治療としてCPT-11、セツキシマブを投与中であるが、治療選択において最初から治療効果の高い化学療法を行うかどうかは予想される副作用の頻度・程度を考慮する必要がある。本例のような透析患者に対しては内服薬の化学療法をまず行い、治療効果や副作用の程度をみながら、可能であればより治療効果の高い化学療法に変更するのも一つの方法と考える。
索引用語 化学療法, 透析患者