セッション情報 シンポジウム2「消化器癌の早期発見」

タイトル S2-07:

体外式超音波検査における早期胆嚢癌拾い上げ診断―検診(スクリーニング)の有用性と傾向―

演者 宮田 英樹(愛媛県立中央病院 消化器内科)
共同演者 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院 消化器内科), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院 消化器内科), 平岡 淳(愛媛県立中央病院 消化器内科), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院 消化器内科), 畦元 信明(愛媛県立中央病院 消化器内科), 山子 泰加(愛媛県立中央病院 消化器内科), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院 消化器内科), 川村 智恵(愛媛県立中央病院 消化器内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院 消化器内科), 白石 明子(愛媛県立中央病院 消化器内科), 奥平 知成(愛媛県立中央病院 消化器内科), 相引 利彦(愛媛県立中央病院 消化器内科)
抄録 [背景]近年、腹部超音波検診の進歩に伴い、診断困難であった早期胆嚢癌が指摘され、その後の精査で診断可能となってきた。超音波検査の普及、発展における最も恩恵を受けた癌は、胆嚢癌であるといっても過言ではない。しかし、超音波検査で胆嚢癌の兆候が指摘できているにもかかわらず、精査に回らないケースも多い。今回われわれは、検診およびスクリーニングで発見された胆嚢癌と紹介あるいは有症状例で発見された胆嚢癌を対比することで、検診およびスクリーニング検査としての腹部超音波検査の有用性とその特徴について検討した。 [対象]過去に経験した胆嚢癌胆嚢癌51例中、紹介あるいは有症状例(胆嚢炎など)で発見された癌は35例、検診およびスクリーニングで発見された癌は16例であった。 それぞれを診断時の進行度別(早期癌、微小ss浸潤癌、進行癌、inope症例)に、さらには診断された早期癌の形態別に分類し検討した。 [結果]検診あるいはスクリーニングで発見された胆嚢癌には早期胆嚢癌が多く、Inope症例は1例も認めなかった。一方、紹介あるいは有症状例にて発見された胆嚢癌の多くはinope症例であった。早期胆嚢癌は約37.5%であった。検診あるいはスクリーニングで発見された早期胆嚢癌には表面型が多い傾向にあった。[結語] 検診およびスクリーニングにおける超音波検査の早期胆嚢癌の発見率は、紹介あるいは有症状例と比し、有意に高く、特に発見困難と考えられている平坦型早期胆嚢癌の占める割合が多いといえた。早期胆嚢癌の発見率を上げるためには、胆膵専門の医師によるスクリーニングあるいは技師への広い上げの啓蒙が必要不可欠であると考えられた。
索引用語 早期胆嚢癌, 超音波検査