セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 12:胃内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後に術後病理検査にて側方断端陽性となった早期胃癌症例についての検討 |
演者 | 藤原 新太郎(香川大学医学部消化器神経内科) |
共同演者 | 森 宏仁(香川大学医学部消化器神経内科), 小原 英幹(香川大学医学部消化器神経内科), 松永 多恵(香川大学医学部消化器神経内科), 西山 典子(香川大学医学部消化器神経内科), 綾木 麻紀(香川大学医学部消化器神経内科), 谷内田 達夫(香川大学医学部消化器神経内科), 尾立 磨琴(香川大学医学部消化器神経内科), 正木 勉(香川大学医学部消化器神経内科) |
抄録 | 【背景】近年、早期胃癌に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:endoscopic submucosal dissection)は、径20mmを超える大型の病変や潰瘍瘢痕を伴う病変などを治療する機会が増えている。手術時間の短縮、偶発症の予防のため最小限の切除範囲の設定および根治切除率の改善にはESD術前の病変部位の正確な側方範囲診断が重要である。しかしながら、術前に色素内視鏡や画像強調内視鏡など検査を術前に施行しても、断端陽性となり非根治切除となる症例が存在する。【目的】早期胃癌に対する胃ESD後の病理組織結果で断端陽性となった要因と病理組織学的特徴について検証する。【方法】対象は2011年4月から2013年4月までの期間に当院にて早期胃癌に対してESDを施行した171病変を対象とした。そのうち、胃腺腫など良性疾患および分割切除例や断端の評価が焼却などにより困難な症例は除外とした。ESD術前に少なくとも1回は上部消化管内視鏡検査を行い、ESDマーキングの際には通常観察、色素観察、NBI拡大内視鏡などを用いて病変範囲を診断した。陰性生検は術前生検で未分化癌の症例において施行した。【結果】171病変のうち5例(2.9%)が断端陽性となった。断端陽性と判断された病変の内訳は、主病変近傍に認識されていなかった微小な病変が存在していた4例、病変が粘膜下内で側方伸展していた1例認めた。断端陽性となった症例のうち術前に認識されていなかった微小病変が存在していた1例と粘膜下で側方伸展していた1例について、術前マーキング時の動画をあわせて供覧する。【結論】術前の範囲診断として通常および拡大内視鏡検査を施行し、ESD断端陽性例の検討を行った。胃ESD施行の際には、術前内視鏡での十分なスクリーニング観察やマーキング後の色素・画像強調内視鏡観察を行い、主病変の近傍の別病変の存在や粘膜下進展に留意する必要がある。 |
索引用語 | 内視鏡的粘膜下層剥離術, 側方断端陽性 |