セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 27:

主膵管と交通を有する膵仮性嚢胞に対しEUSガイド下経胃的ドレナージが有用であった一例

演者 山本 安紀(愛媛県立中央病院 消化器病センター)
共同演者 山子 泰加(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 宮田 英樹(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 白石 明子(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 相引 利彦(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 奥平 知成(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 達川 はるか(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 川村 智恵(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 畔元 信明(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 平岡 淳(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院 消化器病センター), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院 消化器病センター)
抄録 症例は65歳男性。大酒家。主訴は心窩部痛。2012年12月19日から心窩部痛があり、近医を受診。腹部エコーにて膵体部に56×46×27mmの液体貯留を認め、精査加療のために当科紹介入院。入院時、白血球12000/μl、CRP22mg/dl、アミラーゼ123U/l。CTにて膵仮性嚢胞と膵周囲の低吸収域を認め、発症後数日以上経過した慢性膵炎の急性増悪と膵仮性嚢胞に感染を伴った膵膿瘍と診断した。保存的に治療したが、12月28日から腹痛増悪、CRP、アミラーゼも上昇した。MRCPで膵仮性嚢胞と主膵管の交通が推定されたためENPDチューブを挿入した。ドレナージチューブより少量の膿の排液はみられたが、嚢胞(膿瘍)縮小がみられなかったため、EUSガイド下経胃的膵膿瘍ドレナージ術(ENAD)を施行した。ENAD後、膿瘍腔は縮小・消失し、7日後にチューブ抜去し、その後再燃なく経過している。主膵管と交通を有する膵仮性嚢胞は稀であり、膵液が主膵管より流入するため自然消褪が期待しがたい。主膵管から嚢胞への膵液流入量を減らす目的でENPDが適応と考えられるが本例のようにENPDで改善しない場合はENADが有用と考えられる。ENPDとENADのどちらを第一選択とするかは今後の検討が必要と考えられた。
索引用語 膵仮性嚢胞, EUSガイド下経胃的ドレナージ