セッション情報 ビデオシンポジウム「消化器領域の診断と治療における新展開」

タイトル VS-13:

当科における肝細胞癌局所療法における工夫~bipolar RFA systemを中心に

演者 広岡 昌史(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学)
共同演者 越智 裕紀(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 小泉 洋平(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 渡辺 崇夫(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 多田 藤政(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 徳本 良雄(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 池田 宜央(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 熊木 天児(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 松浦 文三(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 阿部 雅則(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学), 日浅 陽一(愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学)
抄録 【背景・目的】当施設は1999年2月よりラジオ波焼灼術(RFA)を開始した。当初は展開型針で治療を行っていたが、2001年よりcool tip針を導入し単針での焼灼を行うようになった。さらに本年の2月からは対極板の不要なbipolar型電極針を導入した。現在ではbipolar RFA systemを主に使用し、局在などにより展開型のLeVeen針とcool tip針を使い分けている。当施設におけるRFAの実際とその工夫を示す。【方法】症例は2013年1月から7月までに当院でRFAを施行した肝細胞癌108例136結節。bipolar RFA systemで103例131結節、LeVeen針で2例2結節、cool tip針で3例3結節の治療を行った。RFAは原則bipolar RFA systemで行った。bipolar RFA system では1) 2cm以下の結節は腫瘍を直接穿刺しない、いわゆる「no touch ablation」で2本以上の電極を使用、2) 2cm以上の結節に対しては可能な限り3本の電極を使用し焼灼した。焼灼時間はドジメトリーテーブルを参考に仕事量が最低で腫瘍容積×0.5 kJとなるように行った。【結果】bipolar RFA systemで焼灼した症例はいずれも広範囲に焼灼域が得られた。15Gでの治療であるが現在まで出血などの重篤な合併症は経験していない。Cool tip針で焼灼した結節は心臓近接病変が1結節、spiegel葉の病変が2結節であった。LeVeen針での焼灼を選択した2結節は過去の肝切除により穿刺ルートが限られ、穿刺ルートの長軸方向先端に腫瘍が存在する結節であった。【まとめ】bipolar RFA systemでの穿刺焼灼は比較的安全で一度の焼灼で広い範囲が治療可能であり有用な方法であると考えられる。ただし中期・長期的な治療効果や予後はいまだ明らかではないため今後の検討が必須である。さらに局在などの理由で他装置を使用することもあり、すべてのシステムに精通しておくべきである。以上に述べた当院での取り組みをビデオで供覧する。
索引用語 肝細胞癌, RFA