セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 25:

多発性嚢胞症の肝嚢胞に合併した胆管細胞癌の一例

演者 小川 泰司(済生会今治病院内科)
共同演者 宮池 次郎(済生会今治病院内科), 丹下 和洋(済生会今治病院内科), 武智 智(済生会今治病院内科), 村上 貴俊(済生会今治病院内科), 上原 貴秀(済生会今治病院内科), 長谷部 昌(済生会今治病院内科), 大本 昌樹(済生会今治病院内科), 恩地 森一(済生会今治病院内科), 梅田 政吉(済生会今治病院内科), 坂東 健次(済生会今治病院 病理科)
抄録 多発性嚢胞症の肝嚢胞に合併した胆管細胞癌の一例1)済生会今治病院 内科 2)同 病理科小川 泰司1)宮池 次郎1)丹下 和洋1)武治 智1)村上 貴俊1)上原 貴秀1)長谷部昌1)大本 昌樹1)恩地 森一1)梅田 政吉1)坂東 健次2)【症例】80代 女性【主訴】右季肋部痛【既往歴】脳梗塞 多発性腎嚢胞症、慢性腎不全、高血圧【現病歴】平成1年3月より多発性腎嚢胞症による慢性腎不全に対して、近医で週3回維持透析を行っていた。平成25年1月3日の血液検査でALP1782IU/l、GOT/GPT=74/31IU/l、CRP6.29mg/dlと上昇が見られ、当院に紹介され、入院予定であった。1月12日右季肋部痛を訴え、当院に救急搬送され、入院した。血液検査では、肝胆道系酵素の上昇、高度の炎症反応上昇、DIC傾向が見られた。B型、C型肝炎ウィルスは陰性。 CEAとCA19-9の高度の上昇。AFP陰性であった。腹部エコーでは、肝内を多数の嚢胞が占め 嚢胞壁には石灰化が見られた。 右葉に80mmの腫瘤があり、内部には充実部分と嚢胞の部分があり、充実部分は不均一で不整、血流(-)であった。単純CTでは、S4~前区域に嚢胞構造を含む内部不均一な腫瘤影が見られた。また、腸間膜の浮腫があり、腹膜炎の状態であった。入院時よりDICに対して加療をおこなったが、入院5日目に永眠された。永眠後,病理解剖をおこなった。肝右様の実質はほとんどが腫瘍であり、低分化(印環細胞をまじえる)~高分化な腺癌であった。右葉を占める80mmの腫瘤の内部は高~中分化の腺癌と壊死組織であった。印環細胞が腹膜播種、左鼡径リンパ節に転移していた。病理診断は胆管細胞癌であり、胆道癌取扱い規約(第5版)stage4 UICC TNM分類第6版 T4 N1 M1 stage4であった。【考察】多発性嚢胞症は肝臓、脾臓、膵臓、子宮、睾丸、精嚢に嚢胞が生じる。嚢胞内に胆管細胞癌の合併は稀であるため、文献的考察を加え、報告する。
索引用語 胆管細胞癌, 多発性嚢胞症