セッション情報 | 一般演題(後期研修医) |
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タイトル | 39:当センターにおけるcollagenous colitisの臨床病理学的検討 |
演者 | 長末 智寛(松山赤十字病院 胃腸センター) |
共同演者 | 河内 修司(松山赤十字病院 胃腸センター), 蔵原 晃一(松山赤十字病院 胃腸センター), 大城 由美(同院 病理部), 八板 弘樹(松山赤十字病院 胃腸センター), 川崎 啓祐(松山赤十字病院 胃腸センター), 森下 寿文(松山赤十字病院 胃腸センター), 阿部 洋文(松山赤十字病院 胃腸センター), 澤野 美由紀(松山赤十字病院 胃腸センター), 渕上 忠彦(松山赤十字病院 胃腸センター) |
抄録 | 【目的】collagenous colitis症例の臨床病理学的特徴を明らかにすること。【方法】2005年8月から2013年7月までに当センターで大腸内視鏡検査を実施し、生検病理組織で最大膠原繊維帯の10µm以上の肥厚および粘膜固有層の炎症細胞浸潤を認めたcollagenous colitis(以下CC)24例を対象とし、その臨床病理学的特徴を遡及的に検討した。【成績】CC診断時の年齢は平均73.8歳で、男性3例、女性21例であった。全例で下痢を認め、排便回数は平均5.2回/日(1-10回/日)であった。その他に血便が1例、腹痛が1例、体重減少が4例に認められた。CC診断までの病脳期間は中央値7.2週(1-208週)であった。プロトンポンプ阻害薬(以下PPI)は22例(92%)で投与されており、ランソプラゾール(以下LPZ)が21例、オメプラゾールが1例であった。その他、低用量アスピリンを含むNSAIDsが11例、降圧剤が19例に投与されていた。大腸内視鏡検査所見では18例(75%)に異常所見を認め、毛細血管増生が12例、顆粒状粘膜が7例、毛細血管の不明瞭化が6例に認められたが、縦走潰瘍を呈した症例は認めなかった。最大膠原繊維帯は平均値54.4µm(19-210µm)であった。治療はPPIの中止・変更が22例、ステロイド使用が1例、止痢薬などの対症療法が1例で行われ、全例で症状の改善を認めた。LPZ内服歴を認める21例において、内視鏡所見の異常を認める15例では、異常を認めなかった6例と比較し、有意にLPZ投与日数が長く(p<0.05)、LPZ総投与量が多かった(p<0.05)が、排便回数や膠原線維帯の長さには違いは認めなかった。【結論】CC発症にはLPZ投与による影響が強く疑われ、さらにLPZの投与日数が長く総投与量が多い症例ほど、内視鏡所見で異常を呈する可能性が高いことが示唆された。しかし内視鏡所見では異常を認識できないCC症例も存在するため、下痢症状を呈する高齢女性で特にLPZ内服中の場合は、内視鏡所見で異常を指摘できなくても本症を疑い、診断確定のため積極的な組織生検を行うことが重要であると考えられた。 |
索引用語 | Collagenous colitis, ランソプラゾール |