セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 40:門脈ガス血症を併発したノロウイルス胃腸炎の一例 |
演者 | 山田 晴士(岡山医療センター 血液内科) |
共同演者 | 前田 剛(KKR高松病院 消化器内科), 大浦 杏子(KKR高松病院 消化器内科), 小林 三善(KKR高松病院 消化器内科), 森田 翼(KKR高松病院 消化器内科), 安田 貢(KKR高松病院 健康医学センター), 厚井 文一(KKR高松病院 内科) |
抄録 | 【はじめに】門脈ガス血症は腸管虚血等による粘膜障害、腸管内圧の亢進により生じる病態であり、死亡率が70%を超える重篤な病態である。【症例】83歳、女性【臨床経過】妄想性障害のため、精神科病院に入院中であった。2012年12月X日夜間に嘔吐下痢を発症。翌日の便検査でノロウイルス抗原が陽性であり、補液加療を行っていた。発症2日目の朝より、鮮血混じりの水様便が出現した。12時過ぎからは血圧低下、チアノーゼ出現し当院へ紹介、入院となった。ショック状態であり、身体所見では腹膜刺激症状を認めた。血液検査で炎症反応の高値、LDHとCPKの上昇を認めた。腹部CTで腸管ガスの貯留と肝臓内に樹状の門脈ガスを認め、門脈ガス血症、敗血症性ショックと診断した。腸管虚血も疑われたが全身状態不良であり手術は困難。抗菌薬、カテコラミンと大量補液による保存的加療を行った。加療開始後バイタルサイン、炎症反応をはじめとした全身状態の改善が見られ、入院4日目の腹部CTで門脈ガスの消失を確認した。入院10日目には抗菌薬治療を終了し、その後も再燃を認めなかった。入院32日目に施行された下部消化管内視鏡検査で、直腸付近に腸管虚血と考えられる縦走潰瘍を認めた。腹膜刺激症状を来した門脈ガス血症は基本的に手術適応となるが、本症例は保存的加療で改善が得られた。【結語】ノロウイルス感染が契機と考えられる、門脈ガス血症の一例を経験した。ノロウイルス感染は嘔吐による窒息・誤嚥による死亡は多く報告されているが、本症例のように腸管内圧上昇による病状悪化を来す例も存在しうる。 |
索引用語 | ノロウィルス胃腸炎, 門脈ガス血症 |