セッション情報 | 一般演題(初期研修医) |
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タイトル | 41:ジアルジア症を合併したアメーバ赤痢の2例 |
演者 | 國分 勝仁(済生会松山病院 内科) |
共同演者 | 山本 健(済生会松山病院 内科), 青野 通子(済生会松山病院 内科), 宮本 裕也(済生会松山病院 内科), 中口 博允(済生会松山病院 内科), 稲田 暢(済生会松山病院 内科), 梅岡 二美(済生会松山病院 内科), 村上 英広(済生会松山病院 内科), 沖田 俊司(済生会松山病院 内科), 宮岡 弘明(済生会松山病院 内科), 岡田 武志(済生会松山病院 内科) |
抄録 | 症例1は34歳男性.同性愛者ではなく,海外渡航歴もなかった.右季肋部痛,発熱を主訴に当科初診し肝膿瘍の診断で入院.ドレナージを行うとともに抗菌薬SBT/CPZを投与し第8病日に退院したが,血清赤痢アメーバ抗体1600倍と判明(膿瘍からは有意菌,原虫の検出はなかった)し,外来で諸検査を行った.下部消化管内視鏡検査では直腸の浮腫性変化がみられたのみであったが,吸引便汁の鏡検でランブル鞭毛虫栄養型がみられた.生検では非特異的直腸炎の所見であった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に軽度の発赤がみられたが原虫は検出されなかった.赤痢アメーバによる肝膿瘍にジアルジア症を合併していると考え,メトロニダゾール750mg/dayを10日間投与し便検査陰性を確認し終了した.HIV抗体は陰性であった. 症例2は44歳男性.同性愛者ではなかったが受診1ヶ月前にバンコクへ1週間の渡航歴があった.血便を主訴に受診し下部消化管内視鏡検査で盲腸,上行結腸を中心に厚い白苔を有する易出血性のびらんが散見された.吸引便汁の鏡検でアメーバ虫体とランブル鞭毛虫がみられたため,メトロニダゾール750mg/dayを10日間投与した.血清アメーバ抗体は800倍だった. ジアルジア症とアメーバ赤痢は感染症法で5類感染症に指定され医師の届け出が必要である.順に年間およそ100例,800例ほど報告がされているが,医中誌では重複感染の報告は比較的稀である.しかしながら,今回の2症例は比較的短期間に集中してみられており実際には相当数の患者が潜在していると推定される.本症例は赤痢アメーバ抗体と吸引便汁の直接鏡検が診断の契機となっており,これらはほとんどの施設で施行可能なことからも有症状者へ積極的に施行すべきと考える. |
索引用語 | ジアルジア, 赤痢アメーバ |