セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 43:

横行結腸間膜裂孔ヘルニアの一例

演者 平尾 章博(香川県立白鳥病院)
共同演者 藤澤 明彦(香川県立白鳥病院), 掘北 実(香川県立白鳥病院), 岡 智(香川県立中央病院 消化器・一般外科), 中村 聡子(香川県立中央病院 病理部)
抄録 横行結腸間膜裂孔ヘルニアは上腹部の手術既往を背景として発生することが知られているが、その頻度は内ヘルニア全体でも5%以下と比較的まれな疾患である。今回我々は、帝王切開の既往はあるものの、上腹部の手術操作歴を認めない患者に発生した横行結腸間膜裂孔ヘルニアを経験したので報告する。症例は77歳女性、腹痛と腹部の膨瘤を主訴に来院した。既往歴としては、帝王切開、虫垂炎、高血圧、閉塞性動脈硬化症を認める。1週間ほど前より時折腹痛を自覚していた。強い心窩部~左下腹部痛と腹部の膨瘤を認めたため当科受診となった。受診時には左下腹部に圧痛を伴う腫瘤を触知するも、単純・造影CT撮影後、疼痛は自然消失し腫瘤も消失した。精査・加療目的に入院となった。血液検査所見では、軽度の白血球上昇(8600/ml)を認めるほか、特記所見は認めなかった。単純・造影CTでは、空腸近位部が胃の小弯側~前方の小網内へ変位しており、同部で拡張を伴っていた。口側の十二指腸~トライツ靭帯部も軽度拡張しており、肛門側の腸管は虚脱していた。横行結腸の背側にヘルニア門が存在し、さらにその背側を下腸間膜静脈が走行することから、横行結腸間膜裂孔ヘルニアと診断した。腸管安静にて症状改善し、自然返納したことから一旦退院し経過を見たが、後日再度イレウスをおこしたため、手術適応と判断し、腹腔鏡下横行結腸間膜裂孔ヘルニア根治術(ヘルニア整復、ヘルニア門直接吻合)を施行した。術後経過は良好であり、現在までにイレウス再燃を認めない。横行結腸間膜裂孔ヘルニアは術前診断に苦慮することが多いが、本症例においては、詳細なCT画像の検討により術前診断を得ることができた。
索引用語 横行結腸間膜裂孔ヘルニア, 内ヘルニア