セッション情報 一般演題

タイトル 23:

癌化学療法中にHBV-DNA値が変動した2例

演者 灘野 成人(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター)
共同演者 浅木 彰則(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 上杉 和寛(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 日野 佳織(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 西出 憲史(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 松本 俊彦(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 梶原 猛史(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 仁科 智裕(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 寺尾 正子(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 堀 伸一郎(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター), 井口 東郎(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター)
抄録 【はじめに】2013年5月に免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインが改訂された。これを順守することでB型肝炎の再活性化は確実に予防できる。今回、我々は癌化学療法中にHBV-DNA値が変動した2例を経験したので報告する。【症例1】70歳代 女性。約10年前、初めてB型肝炎の指摘を受けた。平成23年2月に右乳癌にて乳房切除術、腋窩リンパ節廓清術(T1N0M0,StageI)を施行。10月より抗癌剤(エピルビシン、エンドキサン、トラスツズマブ)を開始。2回投与後、11月17日AST504IU/l、ALT616IU/lと肝障害を認めた。2週間前のHBV-DNA値が陰性であったため、薬剤性肝障害と考え、抗癌剤の投与を中止し、経過観察した。その後、肝機能検査異常は速やかに軽快したが、HBV-DNA値は4.7まで上昇が認められた。患者の希望が強くエンテカビルなしで経過観察したが、HBV-DNA値も速やかに軽快した。その後はトラスツズマブの投与のみ継続したが、肝機能異常は出現せず、HBV-DNA値は低値で変動した。【症例2】60歳代 男性。平成21年9月に肝内胆管癌にて拡大肝左葉切除術を施行。平成22年6月肝内再発が出現。7月より抗癌剤治療を開始。HBs抗原陰性、HBc抗体が陽性であったためHBV-DNAを測定するとシグナル陽性であった。平成25年2月よりにゲムシタビンとシスプラチンの併用療法に変更した。その後、HBV-DNA値は4月23日2.6と上昇した。ガイドライン上はエンテカビルを投与することになるが経過を見るとシグナル陽性に低下した。その後は2前後の低値で変動した。エンテカビルの投与なしで、抗癌剤を継続している。【まとめ】免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインによると、HBs抗原陽性例は全例、既感染者はHBV-DNAが2.1以上になった時点で全例、エンテカビルを投与することを推奨している。しかし、今回の2症例は抗がん剤治療中にHBV-DNAが2.1以上に変動したがエンテカビルの投与なしで経過観察が可能であった。HBVウイルスマーカーの測定、HBV-DNAのモニタリングは非常に重要であるが、エンテカビルの投与時期についてはさらなる症例の集積が必要と思われた。
索引用語 B型肝炎, 癌化学療法