セッション情報 | シンポジウム2「消化器癌の早期発見」 |
---|---|
タイトル | S2-09:高齢者における膵・胆道悪性腫瘍の現状 |
演者 | 榊原 一郎(香川県立中央病院) |
共同演者 | 和唐 正樹(香川県立中央病院), 稲葉 知己(香川県立中央病院), 河井 裕介(香川県立中央病院), 水川 翔(香川県立中央病院), 泉川 孝一(香川県立中央病院), 石川 茂直(香川県立中央病院), 三好 正嗣(香川県立中央病院), 河合 公三(香川県立中央病院) |
抄録 | 【背景・目的】膵・胆道悪性腫瘍は診断時には高度進行で手術不能例が多く、特に高齢者の予後改善には早期発見が必須である。高齢者は、非高齢者に比し基礎疾患のための定期通院率は高いことが想定され、当科にて治療した高齢者症例を定期通院の有無により検討し、医療側からの介入による予後改善の可能性を検討した。【方法】症例は、2008年1月~2013年3月までの当科入院歴のある、80歳以上の膵・胆道悪性腫瘍患者44例(男女比:15/29)。当院あるいは他院の定期通院の有無によりグループ化し、外科手術の可否、進行度(癌取扱い規約)、血液検査データを解析した。【結果】全症例の最終診断と進行度は、膵癌31例(stage III 7例、stage IVa 10例、stage IVb 14例)、肝外胆管癌 7例(stage II 1例、stage III 1例、stage IVa 4例、stage IVb 2例)、胆嚢癌 4例(stage IVb 4例)、十二指腸乳頭部癌 2例(stage II 1例、stage IVa 1例)と進行症例が多く、手術施行は4例のみであった。定期通院例(定期群)は44例中36例(81.8%)であり、stage II及びIII/IVa/IVbが8/13/15例、定期通院なし(非定期群)は、stage II及びIII/IVa/IVbが2/2/4例であった。4例の手術施行例は定期群の3例(膵頭部癌 2例、十二指腸乳頭部癌 1例)、非定期群の1例(膵頭部癌)で、3例は黄疸を契機に発見されており(発見時の血中総ビリルビン値は定期群が3.4, 13.7mg/dlで、非定期群が22mg/dl)、計画的な画像診断が病変発見に寄与した例は1例のみであった。【結論】高齢者は医療機関に定期受診率は高く、負荷の軽い検査を計画的に組み込むことで膵・胆道悪性腫瘍の予後改善を期待したい。膵・胆道悪性腫瘍の早期発見を目的としたこれまでの報告も含め、定期通院の高齢者のスクリーニングの在り方に関して考察し報告する。 |
索引用語 | 膵・胆道悪性腫瘍, 高齢者 |