セッション情報 一般演題

タイトル 15:

肝機能障害、皮疹を契機に発見された梅毒の一例

演者 石川 紋子(高知医療センター 消化器内科)
共同演者 山田 高義(高知医療センター 消化器内科), 山崎 美樹(高知医療センター 消化器内科), 根来 裕二(高知医療センター 消化器内科), 宇賀 公宣(高知医療センター 消化器内科), 森下 佐織(高知医療センター 消化器内科), 大西 知子(高知医療センター 消化器内科), 森田 雅範(高知医療センター 消化器内科)
抄録 症例 50代 男性主訴 皮疹、肝障害現病歴 2012年5月初旬頃より心窩部痛、体幹、上肢を中心に皮疹を認め5月8日前医受診。皮疹に対し抗アレルギー剤内服で経過観察していたが、皮疹改善なく血液検査で肝機能障害、腹部エコーで総胆管拡張認めるため精査加療目的に5月16日当科紹介となった。当院での血液検査で肝・胆道系酵素上昇、炎症反応上昇認めCTで明らかな総胆管結石は認めなかったが、排石後の可能性を疑い入院の上、ERCP施行した。ERCP施行も明らかな排石は認めなかった。ERCP後、肝機能障害はやや改善傾向であったが、問診時に不特定多数の同姓との性交渉歴があることが判明し、皮疹を認めること等から精査を行い、梅毒RPR、梅毒TPLA陽性であり、第2期梅毒と診断した。一旦退院後、梅毒に対して抗生剤加療を行う方針であったが、5月末頃より四肢の浮腫を認め、血液検査にて低アルブミン血症、腎機能障害を認め、また尿たんぱく3+であることから、同日当院腎臓内科紹介受診した。梅毒によるネフローゼ症候群と診断され、加療のため5月29日当科入院となった。同日より梅毒に対してAMPC600mg/day内服とし、食事療法行った。入院後全身の浮腫は改善傾向となり、尿中タンパクも減少し第10病日退院となった。その後外来にて経過観察とし、経過良好で計8週間AMPC内服し終了とし、2012年11月に梅毒RPRも陰性化した。今回、日常診療で診ることは比較的稀だと思われた肝機能障害、皮疹を契機に発見された梅毒の一例を経験したので報告する。
索引用語 肝臓, 梅毒