セッション情報 | シンポジウム5「ウイルス性肝炎の最近の治療」 |
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タイトル | S5-02:C型慢性肝疾患症例におけるインターフェロン治療によるSVR後肝発癌症例についての検討 |
演者 | 三馬 聡(長崎大学病院 消化器内科) |
共同演者 | 田浦 直太(長崎大学病院 消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院 消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院 消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院 消化器内科), 加茂 泰広(長崎大学病院 消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院 消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院 消化器内科), 妹尾 健正(長崎大学病院 消化器内科), 高原 郁子(長崎大学病院 消化器内科), 塩田 純也(長崎大学病院 消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年、C型慢性肝疾患(HCV)に対する治療の進歩によりインターフェロン治療によるウイルス学的著効(SVR)率が上昇し、HCV関連肝癌が抑制されている。しかし、SVR後に肝発癌症する症例が散見されSVR後も腹部画像検査による経過観察が必要である。本研究では、インターフェロン治療によるSVR後肝発癌症例の特徴について検討を行った。【対象】1979年より2011年までの期間、当科においてC型慢性肝疾患に対しインターフェロン治療施行後SVRと診断されHBs抗原陽性例、経過観察期間が1年未満の症例を除外した76例を対象とした。これらの症例で経過観察中肝癌を発症した症例(発癌例)9例、発癌しなかった症例(非発癌例)67例に分類し肝発癌について検討を行った。【結果】SVR症例における、発癌例9例と非発癌例67例を比較すると、血小板数(発癌例11.4万/μl、非発癌例17.7万/μl)、総ビリルビン値(発癌例0.95mg/dl、非発癌例0.7mg/dl)、AFP値(発癌例8ng/ml、非発癌例3ng/ml)、肝線維化F3以上が有意な因子であった。さらに肝発癌に寄与する因子をCox比例ハザードモデルによる単変量解析を行ったところ、肝線維化(F3以上: p=0.034 HR6.54)のみが有意な因子であった。また、累積肝発癌率を肝線維化別にKaplan-Meier法を用い検討したところ、F3以上の肝線維化進展例では、5年の累積肝発癌率が20%であったのに対し、F2以下の肝線維化非進展例では、5年の累積肝発癌率が3%と有意に肝線維化進展例において累積肝発癌率が高かった。【結論】F3以上の肝線維化進展例では、SVR後も肝線維化非進展例と比較し有意に肝発癌率が高かった。肝線維化F3以上の症例においては、SVR後も肝癌診療ガイドラインに則した肝癌のサーベランスが必要であると考えられた。 |
索引用語 | C型慢性肝疾患, 肝癌 |