セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専57:無石胆嚢炎を契機にENGBD細胞診にて診断した胆嚢癌の1例 |
演者 | 本田 宗倫(熊本大学 消化器内科) |
共同演者 | 階子 俊平(熊本大学 消化器内科), 奥田 彩子(熊本大学 消化器内科), 堤 英治(熊本大学 消化器内科), 石井 将太郎(熊本大学 消化器内科), 持永 崇惠(熊本大学 消化器内科), 瀧川 有記子(熊本大学 消化器内科), 西村 千紘(熊本大学 消化器内科), 石貫 敬子(熊本大学 消化器内科), 本原 利彦(熊本大学 消化器内科), 野田 香菜(熊本大学 消化器内科), 鴻江 勇和(熊本大学 消化器内科), 庄野 孝(熊本大学 消化器内科), 直江 秀昭(熊本大学 消化器内科), 櫻井 宏一(熊本大学 消化器内科), 田中 基彦(熊本大学 消化器内科), 橋本 大輔(熊本大学 消化器外科), 馬場 秀夫(熊本大学 消化器外科), 佐々木 裕(熊本大学 消化器内科) |
抄録 | 【症例】81歳、男性。2012年9月、下血を認め当科紹介入院となり、憩室出血の診断で絶食による保存的加療で軽快した。食事開始4日目に、発熱と右季肋部痛が出現した。血液検査にて軽度の炎症所見と、腹部エコーおよび単純CTで胆嚢の腫大を認めたが、壁肥厚は目立たず、胆嚢結石や腫瘤性病変も明らかでなかった。その後、腹痛、炎症所見が増悪したため、翌日に造影CTを施行した。胆嚢周囲脂肪織濃度の上昇を認めたものの、結石や腫瘤性病変は認めず、無石胆嚢炎と診断した。微小癌に伴う胆嚢炎が否定できないため、5Fr.の経鼻チューブを用いて内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ(ENGBD)を同日施行した。胆汁の性状は黒緑色の濃縮胆汁で、培養検査では細菌は検出せず、翌日には症状は改善した。ENGBDチューブからの胆汁洗浄細胞診を連日施行し、5回目の提出にてClass V, adenocarcinomaの結果から胆嚢癌と診断した。胆嚢腫大改善後のCTでは、胆嚢全体に不整な壁肥厚を認めたが、明らかな遠隔転移は認めなかったことから、10月に胆嚢摘出術および肝外胆管切除術を施行した。術後病理組織では胆嚢全体に深達度mの高分化型腺癌を認め、Stage Iと診断した。術後4ヶ月無再発生存中である。【考察】急性胆嚢炎の診療ガイドラインでは、原則として手術が推奨されているが、術前にドレナージを要することも多い。かかる状況にてPTGBDは簡便であり施行されることが多いが、胆嚢癌が原因の場合は播種の危険性が伴う。一方、急性胆嚢炎症例における無石胆嚢炎の頻度は2~15%とされ、さらに、無石性胆嚢炎における胆嚢癌合併率は約6.9%と報告されている。従って、無石胆嚢炎においては胆嚢癌の併存を念頭に置き、ドレナージ法に関しても注意が必要である。【結論】今回、無石胆嚢炎を契機にENGBD細胞診にて診断した胆嚢癌の1例を経験したので報告する。 |
索引用語 | 無石胆嚢炎, ENGBD |