セッション情報 | 一般演題(公募) |
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タイトル | 161:著明な好酸球数増多症を来した好酸球性胃腸炎の1例 |
演者 | 相馬 渉(有田胃腸病院) |
共同演者 | 阿部 寿徳(有田胃腸病院), 有田 桂子(有田胃腸病院), 二宮 繁生(有田胃腸病院), 其田 和也(有田胃腸病院), 脇坂 昌紀(有田胃腸病院), 有田 毅(有田胃腸病院), 沖本 忠義(大分大学医学部消化器内科), 兒玉 雅明(大分大学医学部消化器内科), 村上 和成(大分大学医学部消化器内科), 藤岡 利生(大分大学医学部消化器内科) |
抄録 | 症例は73歳女性。数日続く嘔吐、水様下痢、左腹部痛にて当院来院。腹部CTにて小腸大腸壁の浮腫状肥厚を認め、肝周囲に腹水貯留を認めた。採血にてWBC16100/mm3(Eosino 40%)と好酸球数が著明に増加しており、好酸球性腸炎を考えた。上部内視鏡検査では胃・十二指腸粘膜に発赤が散在しており、生検にて好酸球の密な浸潤を認めた。全大腸内視鏡検査では終末回腸に軽度の発赤を認める以外に大腸粘膜の明らかな異常は認めなかったが、生検では終末回腸以外の全大腸に好酸球の有意な浸潤を認めており、上部内視鏡検査の結果と併せて好酸球性胃腸炎と診断した。小腸カプセル内視鏡検査では、十二指腸から上部空腸壁の浮腫状肥厚・びらん・発赤を認め、一時カプセルの通過が困難となる部位もあった。絶食・補液治療では症状の改善が乏しく、WBC 13600/mm3(Eosino 62%)と好酸球数はさらに増加した。診断確定後にd-マレイン酸クロルフェニラミン(4mg)・ベタメタゾン(0.5mg)配合錠とエバスチン10mgの内服を開始したところ徐々に症状は改善傾向となった。内服開始1か月後に施行したCTでは小腸大腸壁の肥厚や腹水も消失し、WBC 8900/mm3(Eosino 1%)と好酸球数も明らかに改善していた。尚、内服や食物で好酸球増多症の原因なるものは判然としなかった。今回我々は、著明な好酸球増多症を来した好酸球性胃腸炎の1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 好酸球性胃腸炎, 著明な好酸球増多症 |